ファルコン昆虫記(988)【クロヤマアリ】の〈働きアリ〉
May
22
身近な昆虫の一つですが、原則として、産卵行動を行う少数の〈女王アリ〉と、育児や食料の調達などを行う多数の〈働きアリ〉、餌を得るための狩りや巣の防衛を担う〈兵隊アリ〉が大きな群れを作る社会性昆虫として、〈働きアリ〉はすべて「メス」であることはよく知られていますが、《働きアリの法則》や《2-6-2の法則》と呼ばれるたとえに用いられています。
●働き蟻のうち、よく働く2割のアリが8割の食料を集めてくる。
●よく働いているアリと、普通に働いている(時々サボっている)アリと、ずっとサボっているアリの割合は、2:6:2になる。
●よく働いているアリ2割を間引くと、残りの8割の中の2割がよく働く蟻になり、全体としてはまた2:6:2の分担になる。
●よく働いているアリだけを集めても、一部がサボり始め、やはり2:6:2に分かれる。
●サボっているアリだけを集めると、一部が働きだし、やはり2:6:2に分かれる。
社会性のある昆虫だけに、面白い研究対象になるようで、「アリ」を「ヒト」に置き換え、昆虫の社会を研究することで、生物のシステムにおける共同の起源に迫ることが期待されています。
蟻社会に興味ある方は、 進化生物学者の<長谷川英祐>氏の 『働かないアリに意義がある』などをお勧めします。