今年の読書(49)『家族じまい』桜木紫乃(集英社文庫)
Aug
12
高齢化社会を迎えての老々介護を主軸にして、夫婦・親子・兄弟の関係を、いつもながらの人間の本能的な行為としての悲哀という描き方で赤裸々に描いています。
世界保健機関(WHO)では、65歳以上の人を「高齢者」と定義していますが、その年齢を超えている立場として、自分の今後の生活と家族関係・終活、社会との接点等、自分自身の身近な問題として重ね合わせ、切実的な問題として受け止めながら読み終えました。
実写化されました、<波留>主演の『ホテルローヤル』をはじめ、『星々たち』・「風葬」・『砂上』など、かねがね目を付けています著者<桜木紫乃>の人間観察のきめ細やかな文章の世界に浸れました。