<生け花>のタイトルを付けていますが、今回は生け花の素材ではなく、以前に江戸時代末期から大正時代初期あたりまで使用されていたであろう
【行火炉(あんかろ)】が「花器」として再利用されていましたが、今回は【羽釜】の登場です。
今ではご飯を炊くのは、「電気炊飯器」の占める割合がほとんどだけに、久しぶりに目にして、懐かしく眺めておりました。
【羽釜】は、昔から日本各地で使われてきた日本の伝統的な調理器具の一つで、主にご飯を炊くために使われます。最大の特徴は、内部に空気層があることです。これにより、ご飯が一度沸騰してから火を止めても、内部の熱が逃げずにしっかりと炊きあがります。
もはやこの【羽釜】を炊き上げる「へっつい」や「かまど」、京都弁の「おくどさん」などの言葉は死語の時代になりました。江戸時代から伝わる《はじめちょろちょろ中ぱっぱ、じゅうじゅう吹いたら火をひいて、ひと握りのワラ燃やし、赤子泣いてもふた取るな》の言葉の意味も理解されない時代のようです。