今年の読書(25)『沈黙の終わり(上)』堂場瞬一(ハルキ文庫)
May
17
<堂場瞬一>の著作は、大きく分けて、〈スポーツ関連〉・<刑事関連>、そして前職の新聞社を舞台にした〈記者関連〉に分けられると思いますが、本書『沈黙の終わり』は、新聞記者を主人公に据えています。単行本として、2021年4月に刊行、2024年4月18日に文庫本として発売されています。
千葉県野田市の江戸川沿いで、7歳の女児の遺体が発見されます。
そのニュースを知った東日新聞埼玉支局の「古山孝弘」は、埼玉でも4年前に8歳の女児の行方不明事件があったことを思い出します。調べてみると、その現場は今回の事件と江戸川を挟んですぐ近くでした。
そのニュースを知った東日新聞埼玉支局の「古山孝弘」は、埼玉でも4年前に8歳の女児の行方不明事件があったことを思い出します。調べてみると、その現場は今回の事件と江戸川を挟んですぐ近くでした。
「古山」は同一犯人による連続事件ではないかと疑い、千葉柏支局に、定年前に本社から移った「松嶋慶太」支局長と相談、さらに調べていくと事件は33年前まで遡ることができ、7件の事件はどれも捜査が中途半端で終了、自然消滅的に未解決に終わっています。
取材を進める「30年以上隠されてきた連続幼女誘拐殺人の裏側で、圧力による捜査妨害が起こっていることを突き止めた二人は、記者魂をかけて、犯人捜しの取材に奔走するところで、(上巻)は終わります。
息をもつかせぬ展開で、読者もおぼろげながら上部からの不正の圧力の匂いを嗅ぎながら、事件の真相が気になる展開で、(下巻)に向かわせます。