29日の米株式市場でダウ工業株30種平均株価は反発して始まりました。米長期金利の低下が米株相場の追い風となり、半導体関連株が買われたことも、投資家心理の改善につながっています。
米債券市場で長期金利は(4.20%前後)と前営業日の終値(4.26%)を下回って推移しています。市場では米連邦準備理事会(FRB)が12月に追加利下げに動くとの観測がやや優勢となっています。長期金利の低下を受けて株式の相対的な割高感が薄れ、主力株への買いを支えています。
検討されています半導体製造装置や人工知能(AI)メモリー半導体の中国向け販売規制を巡り「当初想定されていたほど厳しい措置にはならない」と米ブルームバーグ通信が27日夜に報道。半導体関連株への買いを誘い、エヌビディアが(2%高)となりました。
米経済への楽観的な見方も株買いを支えています。29日は米国で年末商戦が本格的に始まる「ブラックフライデー」にあたり、消費者が節約志向に傾くなかでも大幅な値引きが消費を押し上げるとの期待も強く、良好な消費が確認されれば、米経済にとってポジティブだとされ、景気敏感株や消費関連株への買いにつながっています。
ダウ平均は上げ幅を350ドル程度に広げる場面がありました。29日は〈感謝祭〉の翌日で午後1時までの短縮取引となり、休暇を取る市場参加者も多く、薄商いだったため、値動きが大きくなりやすかったとの指摘も出ています。
ダウ平均は月間で3147ドル上昇でした。上昇幅は2022年10月以来の大きさとなり、11月は米大統領選挙の結果が想定よりも早く判明したなか、<トランプ次期大統領>が打ち出す減税や規制緩和が米景気を支えるとの観測が広がっています。