昨年離婚を経験した40代のシングル・マザー。
1時間をかけて彼女の地域までドライブ。
本日の午後一番の面談となった。
現在はパートタイムで働きながら、キャリアアップのための学校にも行っているという。
そのような中で、何度も仕事場で盗難の被害を受けて
「もう、私考えるのもできなくなってるんです」と、髪を掻きむしる。
9歳の可愛い女子から面談中にも電話が鳴り、学校後の母親と会う場所を確認。
別れた元夫からは養育費の支払いがないという。
訴訟は?
弁護士は?
子供の教育のためにも養育費の請求だけは必要では?
そんなありきたりの質問をした私に、
彼女はゆっくりと、噛みしめるようにして答えた。
「もう、過去は終わったんですからいいのです。
それを考えだすと、ストレスがギューと上がって行ってしまんです。
…………
これからは、先のことを見つめて行きたいんです。
子供の教育だけは、しっかりしたものを残したいと考えています。
それで学校にも通い出したんですよ。」
彼女は流暢な日本語を話す韓国人。
日本でも、ここ米国でも試練を通り抜けてきた。
いや、たった今もその最中であるというのに、
卑屈になることのない前向きな姿勢は変わらない。
子供が待っているので駆け足でその場を去る彼女に
神様の平安と助けとを祈りながら見送った。
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