復刻版 ハーフタンギングの練習方法 その2
Aug
16
時々雲の切れ目から太陽が出てくると、肌が痛いくらいの暑さです。
今日は夏休み最後で、と言いたいのですが、9月に夏休みをとる予定なので、すいた電車で通勤をしていました。
今日は日曜日ですが、急遽お寺さんでの立会い仕事が入ったので、盂蘭盆施餓鬼会法要が執り行われているのを本堂の片隅で聞いていました。
大人数のお坊さんがお経を上げていましたが、独特の節回しと間合いは西洋音楽では、理解できないものですね。
半音階ではなく、もっと細かな音程差でやっているので、とても不思議な雰囲気になります。
仕事とはいえ、おごそかな気持ちになりました。
2004年10月18日のブログを見直したものです。
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今日は、やっとハーフタンギングの練習方法に入ります。
ハーフタンギングは、音を消さないでタンギングしているときも音を出す方法です。
知らない方は何のことだかよく分からないと思いますので、図のハーフタンギングを見てください。
音が1/3くらいになっているところが、ハーフタンギングをしているところです。
タンギングによって、音を小さくしたままにすることなんですね。 この奏法はフレーズにニュアンスを付けるために行います。 合奏の時に一人だけ使うとまわりの人と合わなくなりますので注意してください。
ハーフタンギングは、厳密に言えばタンギングではないのかもしれませんが、舌を使って行うという意味では、タンギングと言っても良いのかもしれません。 他にも、べらんめー調の巻き舌で音を出す、フラッタータンギングなんて言うのもありますから、舌を使う奏法をタンギングと言うのかもしれませんね。
さて、ハーフタンギングの練習方法ですが、タンギングと同じように出しやすい音(中音の B あたり)でロングトーンをします。
始めはよく分からないと思いますので、舌を徐々にリードに近づけていき、音にミュートがかかった状態で吹きのばします。
このミュートがかかったような音が、ハーフタンギングの音です。 何度もやってみてください。
舌をどのくらい動かせばリードの音をミュートできるかは、練習で感覚をつかみます。 すぐにできるとは思わないでください。 サックスを持つたびに何度も練習して、体で覚えていく方法がベストです。 無理に舌を動かしていると、舌の筋肉がこわばってきますので、疲れたら休んだり、明日の課題として他の練習メニューをこなした方がいいですね。 この練習ばかりしていると、その日の練習に支障をきたしますので、10分間と決めたらその時間でやめましょう。 毎日練習していれば、あるとき感覚をつかむことができます。
以前のブログにも書いたように、私はリードの左半分くらいを舌を使ってリードの振動を止めるやり方をしています。 他にもリード全体に舌を少しだけ当てる方法もありますので、みなさんがやりやすい方法を練習しながら見つけ出してください。
感覚がつかめてきたら、ゆっくりとしたテンポからハーフタンギングを行ないます。
2拍ごとに ノーマル音 − ハーフタンギング を行なって、徐々に短い音でできるようにしていきます。 16分音符までスピードを上げてもできるように時間をかけて練習してください。
一つの音をロングトーンしながらできるようになったら、8分音符4つを ノーマル音 − ハーフタンギング − ノーマル音 − ハーフタンギング と吹いて、1音づつ上がっていったり下がったりしてみましょう。
高音のCから始まって C−A−B−G−A−F−G−E−F−D−E−C と3度で下がってくるようなフレーズでは、下がった音にハーフタンギングを付けるとやりやすいです。
あとはいろいろなフレーズで、効果的なハーフタンギングの場所を見つけて試してみてください。
効果的なのは、フレーズの中にある、下がった音に使うといいですよ。 ジャズでは、【 のむ音 】 といういい方をしますが、このような場所で使うと効果的ですね。
さて、コツです。
コツは、圧力を弱めないことですね。 弱めると音が消えてしまいます。 サックスの音を出すには、やはりお腹からの圧力が、音色や音の表現を付けるにはとても大切だと思います。
リードの振動を舌で無理矢理止めていますので、抵抗が強くなります。 その抵抗に負けて音がなくならないように圧力をかけてあげましょう。 と言いますか、圧力は常にかけることが必要ですね。
このハーフタンギングは、ミュートのような音を出して、フレーズにニュアンスを付けることが目的ですから、当然音は小さくなります。
ほとんどのジャズプレーヤーが、このハーフタンギングを多用していますので、よーく聞いてみてくださいね。
ハーフタンギングは、私もできるようになるまで時間がかかりました。 と言ってもマスターしていると言うほど、できているとは思えませんが・・・
今回は、ここまでです。
次回は、その3として、弱いタンギング、強いタンギング、使い分け方法 について私なりのお話しをいたします。