<寝たきり老人>
Nov
28
著 者~ 宮本 顕二 さん~ 北海道中央労災病院・院長
共同著者~ 宮本 礼子 さん~ 桜台明日佳病院・院長
出版社~ 中央公論新社
宮本さん夫婦はともに<内科医>です。
顕二さんの専門は<肺>・・礼子さんの専門は<認知症>です。
約200万人ともいわれる <寝たきり大国の日本>では未曾有の長寿社会を迎えて、どうすれば納得のいく人生の終え方ができるのか問われています。
ご夫婦が<スエーデン~オランダ~アメリカ~オーストラリア他>の外国の<終末期医療>を体験されて、日本の現場との違いが克明に記されています。
私の子供の頃は、食べられなくなった高齢者はリンゴの搾り汁を少し口に含む程度で、家で亡くなっていました。
それでも、のどが渇いて苦しんだとは聞いたことはありません。
昔の日本の終末期医療は今のスエーデンと同じだったことを、あらためて認識しました。
<人は最後まで人として生き、人として死にたいのでは?>とおもっています。
認知症になり、美味しいものも美味しく食べられなくなり、ましてや下の世話まで人の手を借りて生かされているのでは、本人も周囲もつらいばかりなのはないでしょうか。
動物は死期が近づくと群れから外れひっそりと最期を迎えるといいます。
人間も動物ですからそういった感じがあるのでしょうか。
欧米がいいのか、日本がいいのかわかりません。
しかし、まったく物も言えず、関節も固まって寝返りすら打てない、そして胃ろうを外さないように両手を拘束されている高齢の患者を目の前にすると、人間の尊厳について考えざるを得ません。
妻と私は<将来終末期になり、食べられなくなったときは、胃ろうを含む人工栄養などの延命処置は一切希望しない>と書面にして、かつ、子ども達にも、その旨しっかり伝えています。
小生も終末期に差し掛かっていますので・・日頃から
<病名告知必要~ 延命治療不要~ 葬式・戒名不要~ 通知不要・・>と宣言して
保険証にも<メモ>を挟んでいます。