《“横浜青葉区寺家ふるさと村(2)”❖2020/10/18❖》 『植物観察』 ノハラアザミ(野原薊); ノアザミ が初夏から夏なら、ノハラアザミ(野原薊)は秋の花。 色以外の区別として、花の下部(総包)に粘りがあるのがノアザミ、粘りがないのがノハラアザミ。 秋の花、とはいえ7月頃から咲くこともあり、花期は長い。蜂達には貴重な花。 根生葉は花期にもロゼット状に残り、鋭い刺針があり中肋は紅色を帯びる。 茎葉は少なく、基部は茎を抱く。頭花は枝先に直立又は横向、柄がなく、集合してつく。 総苞は、毛が多く総苞片は曲がらず、斜上し先が鋭い。総苞片に腺体がなく、粘らない。 ノアザミは、葉の基部が茎を抱く。総苞片に腺体が多く粘る。10月に花が残ることもある。 コハコベ(小繁縷); 日本全土で普通に見れる。茎は下部から多く分枝し、片側に軟毛がある。 葉は卵形、鋭頭、深緑色無毛、下部に少し毛があり長柄があるが、上部は無柄。 花は集散花序につく。花柄は有毛。萼片は5、楕円形。ふちは薄膜質、背は有毛。 花弁は5、白色、2深裂し萼より少し短い。花柱は3、雄蕊は1〜7。 ウシハコベは大型で、花柱が5個。 アキノウナギツカミ; 葉や茎に細かく鋭いトゲがいっぱい生えていて、鰻もつかめるに名は由来する。 白花もあり、 ミゾソバ の白花にもそっくりだが、ミゾソバにはトゲがない。 アキノウナギツカミは葉形は、細長く茎の周りに葉が回りこむ。 似た花のナガバノウナギツカミは、花柄に腺毛、葉の基部が小さく開出、茎を抱かない。 アキギリ(秋桐); 草丈20~60cm。 茎は直立または基部が倒れて先が斜上する。 葉は対生、葉身は三角状ほこ形で長い柄がある。葉の基部は心形、縁には鋸歯がある。 花は、枝先に多数の輪散花序をつくり、それらが総状に集まって円錐花序となる。 花冠は2唇形、紫色で、上唇は直立し下唇は3裂してその中裂片は大きい。 筒部の内面に広く毛があり、毛は先が尖り、表面はざらつく。 雄蕊は2個。萼は2唇形、腺点および脈上に長白毛がある。 春の若芽は、食用。 塩を少し入れ茹でて水にさらし、あえもの、おひたしに。 そのまま天ぷらなどの揚げ物にしていただける。 ヨメナ(嫁菜); ヨメナ(嫁菜)とは、若葉を食べた時の味がいい、花の姿がやさしいので「嫁」に由。 ヨメナ は関西に、カントウヨメナ は関東に育つというのが通説。 花の色はヨメナは薄い紫、カントウヨメナは白、というのが一般的だが、薄紫も存在する。 ノコンギクの葉はやや丸みがあり、葉の両面に短毛が生え、ざらつく。 ユウガギクは葉が薄く、中裂する。 カントウヨメナ(関東嫁菜); 草丈50~120cmの多年草。 ヨメナによく似ているが以下の点が異なる。 葉はヨメナよりも鋸歯が深くて大きい。 頭花は径約2.5cmとヨメナ(約3cm)より小さく、冠毛は0.25mmとヨメナより短い。 葉の鋸歯がヨメナより深いことなどが違いとされている。 しかし、関東地方にはユウガギクというよく似た野菊があり、見分けは、苦労する。 カントウヨメナは、花は淡紅紫色、ユウガギクは普通白色、葉はやや厚く鋸歯は小さい。 ユウガギクの葉は薄く、縁は羽状中裂することが多い。 田んぼの土手や湿った草むらなどでいずれの花もごく普通に見かける。 花を特定するのは、厄介。特定せず参考程度。いずれもキク科の花。