《雅羅・/・襍録〝日陰の小花〟❖ ’24-191 ❖》

ハグロソウ(葉黒草) キツネノ... ハグロソウ(葉黒草) キツネノマゴ科(Acanthaceae)
学名:Peristrophe japonica (Thunb.) Bremek.

《  泉の森に見える花〝ハグロソウ〟7月草花Ⅵ  ❖ ’24/07/05 ❖ 》
日本では関東より西(南)にしか自生しない、高尾山が北限か。
又、2枚花弁植物は、日本には数種類しかない。
姿似の草に キツネノマゴ  を紹介されるが、明らかに形が違うと思う。
神奈川県植物誌によれば自生地は、県の北西部に点在するのみである。
大和市泉の森の自生は、驚きで慎重なる検証、観察が望まれる。
神奈川植物誌を読み参考にさせてもらう(植物誌1415~1417頁)。
ハグロソウ属 Peristrophe Nees
 多年草.茎には 4~5 稜がある.
葉は全縁.花序は頂生または腋生し,
大きな葉状の大小 2 枚ときに 3 枚の苞がある.
萼に接してごく小さい,長さ 1~2mm の小苞が 2 枚ある.
萼は膜質で 5 深裂する.花筒は細く,先は 2 裂して唇形.
子房の基部に環状の花盤がある.
アジア,アフリカの熱帯~温帯に広く分布し,約 40 種がある.
日本には 1 種だけ分布し,県内にも自生する.
ハグロソウ;
茎は高さ 20~50cm,直立し,しばしば分枝し,短毛が散生する.
葉は薄く,黒みを帯びた緑色なのでハグロソウの名がある.
葉の下面脈上には短毛があり,上面は無毛かまばらに短毛がある.
針状の結晶体はキツネノマゴほど はっきりしないものが多い.
苞は縁と下面脈上に短毛がある.
花は淡紅紫色で,苞の間にあり,つぼみは数個(2~8 個)つくが,
同時には咲かず,1 個ずつ咲くことが多い.花期は 7~10 月.
果実は 2 室に分かれ,熟すと裂けて,それぞれ 2 個の種子を飛ばす.
本州(関東地方以西),四国,九州に分布.林縁に生える.
県内では丹沢,箱根,小仏山地の山麓部と多摩丘陵などに分布するが少ない.

あるHPで鎌倉市山ノ内に自生ら... あるHPで鎌倉市山ノ内に自生らしきハグロソウが居ると紹介されている。
現地をたんぼうしてみたい。
自生環境の類似性等々、興味を覚える小さな花である。


神奈川植物誌に掲載されてる自生... 神奈川植物誌に掲載されてる自生地分布図。
ここに北鎌倉(山ノ内)に古く自生されていた印がある。
最近の調査がないのか??
ある方のHPには、今も咲いているような記述がある。


「令和陸年(皇紀2684年)7月9日、記」
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《雅羅・/・襍録〝同属異種〟❖ ’24-190 ❖》

《  泉の森・隣に咲く同属異種... 《  泉の森・隣に咲く同属異種の花〝ミソハギ・エゾミソハギ〟❖ ’24/07/05 ❖ 》
ミゾハギ・エゾミゾハギは、暑い時期に紅紫色の花を水辺で見せてくれる。
漢字では禊萩と書き盆飾りなどの供物を清めると意味から付けられた。
泉の森で見られるミゾハギ・エゾミゾハギは、同じ場所に茎が立っている。
遠目にはわからない。近寄って見ると違いが分かるのだが、不思議な光景である。
DNA鑑定をしたら・・・と思うのだが。〝7月草花Ⅴ〟
雨に濡れ茎が傾いているのがあっ... 雨に濡れ茎が傾いているのがあった。(7/12 '24追加)
ミソハギ(禊萩・溝萩)ミゾハギ... ミソハギ(禊萩・溝萩)ミゾハギ科(Lythraceae)
学名:Lythrum anceps (Koehne) Makino
別名: ボンバナ(盆花)、ショウリョウバナ(精霊花)、ソビソウ(鼠尾草)
花拡大。 花拡大。
エゾミソハギ(蝦夷禊萩)ミゾハ... エゾミソハギ(蝦夷禊萩)ミゾハギ科(Lythraceae)
学名:Lythrum salicaria L.
禊萩の葉。 禊萩の葉。
蝦夷禊萩の葉。 蝦夷禊萩の葉。
ミソハギ(禊萩・溝萩); 全体... ミソハギ(禊萩・溝萩);
全体に無毛。茎は4綾形。葉は、十字形に対生し、基部は茎を抱かない。
花は直径約1.5㎝。花弁は4~6個で波うつ。花托筒(萼筒)は、12本の縦の綾がある。
萼片は三角形、6個あり萼片の間に針状の付属体(副咢)が6個あり、開出する。
雄蕊12個、6個が長く6個が短い。雌蕊の長さには3型ある。
日本に生育するミゾハギ属は2種ある。
もう1種のエゾミソハギは茎、葉、萼など全体に短毛があり、副萼が直立する。
以上の2種共に栽培種が多く、自生地を見たことはない。


「令和陸年(皇紀2684年)7月8日、記」
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《雅羅・/・襍録〝腐生植物〟❖ ’24-189 ❖》

タシロラン(田代蘭)   ラン... タシロラン(田代蘭)   ラン科(Orchidaceae)
学名:Epipogium roseum (D. Don) Lindl.
別茎の拡大部分。 別茎の拡大部分。
花構成説明図。 花構成説明図。
《  泉の森・暗い林床に見える花〝タシロラン〟❖ ’24/07/05 ❖ 》
初見の菌類は、偶然の出会い。タシロランが目的で途に見かけた。
高木の林床にあって昼間でも薄暗い場所に静かに佇んでいる。
初見の菌類そしてすぐ先に霊々しく!?!1茎が見えた〝田代蘭〟。
クサスギカズラ目/ラン科/トラキチラン属、国の準絶滅危惧種(NT)。
梅雨時のじめじめし蒸し蒸しした薄暗く湿った場所。
葉緑体を持たず、光合成を行わない菌従属栄養植物。
発見者・田代善太郎に因んで命名された草本。
戦後、昭和33年(1958)に横須賀市の鷹取山で見つかる。
当時、新種としてタカトリラン(鷹取蘭)と命名された。
が、後にタシロランと判明。各地でも確認されている。
人の手が入らず鬱蒼とした暗い森(里山緑地)が増えた。
緑地保存整備で生育地が増えている。
これは、都市計画法のお影だ(仔細略)。
1茎の近くにはタシロランの小群落が見えた。
踏みつけてはいけない!!等と。だが観察に夢中になる。
タシロランの汁気?を吸う幼虫も居るのだとか。
幼虫を見つけるのは難しいと聞いている。
アオバハゴロモ(青葉羽衣)の幼虫らしい。
綿のように見える幼虫だとか。
尾部から分泌する蝋状物質を纏っている姿だとか。
辺りに白い粉は見えないか??それが幼虫の姿らしい。
食物連鎖の現場が見れるのが里山緑地の魅力だ。
黒蘭とか大葉の蜻蛉草の次に咲く田代蘭。
資料等では、斯様に記載されるが、今年は同時期に見られた。
 
〝7月草花Ⅳ〟
 
「令和陸年(皇紀2684年)7月7日、記」
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《雅羅・/・襍録〝森の菌類〟❖ ’24-188 ❖》

《  泉の森・初見の菌類〝マメ... 《  泉の森・初見の菌類〝マメザヤタケ〟❖ ’24/07/04 ❖ 》
泉の森を散策してた時、この地で初見の菌類らしきものを見た。
調べてみると、Xylariaの一種ではないかと・・掲載してみる。
詳しい方の判定を頂きたい。
下記に、図鑑等の資料からの抜粋を。
マメザヤタケ(豆莢茸)、学名:[Xylaria polymorha]
マメザヤタケは広葉樹の枯れ木や倒木、立木の根元などに発生する。
ほぼ一年中見る事ができるが、主に夏~秋に発生。
マメザヤタケの頭部は1~1.5cm程度で形は個体によって色々ある。
表面は艶のないマットな黒色。
一定間隔で子嚢を入れる袋(ペリテシウム)が頭部全体に散らばっている。
マメザヤタケは多くの場合、土筆の頭、短いこん棒等と形容される。
キノコ全体の高さは3~8cm程度。内部の肉は白色で中央部は空洞。
また、肉の部分であっても表面に近い表層部分は黒くなっている。
肉は硬さがあるが割と簡単に形が崩れるという特徴がある。
マメザヤタケは見た目通り食用には向かないキノコ。

「令和陸年(皇紀2684年)7月6日、記」


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《雅羅・/・襍録〝摩耶蘭〟❖ ’24-187 ❖》

マヤラン(摩耶蘭)   ラン科... マヤラン(摩耶蘭)   ラン科(Orchidaceae)
学名:Cymbidium nipponicum/macrorhizon


《  泉の森・定点観察花〝摩耶蘭〟7月草花Ⅲ❖ ’24/07/05 ❖ 》

定点觀察のように通年、暇さえあれば訪れる場所(通り道^^)。
・・・乱舞するように沢山の径が花を付けているではないか。
よくぞ来てくれた!!って感じでこちらを見ている。
時間を忘れ、昼食を忘れ・・・觀察した(2014/7/6)。

上記・記載した場所は、現在立ち入り禁止で一般人は通れない。
情報によれば、今でも元気に花を見せている、と。
諸事情で立ち入れない、通れないのは仕方ないことだと思う。
だが植物も生き物、突然に別場所に姿を見せるのではないか。
そんなことを思いながら気をつけてマヤラン探しに散歩していた。
最近、知ったことだが泉の森にオオバノトンボソウもいると!!
大葉蜻蛉草は、2重の柵で保護されており、そこも中に入れない。
そんな中、野草園で2茎のオオバノトンボソウらしき野草を見つけた。
すでにどなたかが、マーキングの竹杭が立ててあった。
が前に記した通り、草刈りですっかり刈り取られてしまった。
そこで柵で囲われている場所を見て回ると柵外に数茎を見つけた。
間違いなくオオバノトンボソウだ!!
そして周辺を見て回ると、オオバノトンボソウだけではなくマヤランが!!
数十年前に親達が案内してくれた時は、マヤラン見物でそこに行った。
オオバノトンボソウの存在は、つい最近知った事、マヤランが先であった。
2種類のラン科の植物が、仲良く1メートル四方の中に茎を立て咲いている。
驚き以上に感動的光景であった。だが、誰でも手に取れる場所にである。
踏みつけられないように、枯れ枝で囲って・・・帰宅した。
*       *       *
神奈川植物誌には;
(3)マヤラン Cymbidium macrorhizon Lindl.
菌従属栄養植物ではあるが,花期終了後,茎,果皮に葉緑体が増加,
光合成も行うことが判明している.
根茎は多肉質で短毛におおわれ,地中を長くはい,節には 3 角状鱗片がある.
花茎は高さ 10~30cm で紫褐色を帯びた緑色.鞘状葉は紫褐色.花期は 6~9 月.
花は花茎の上半部に 2~5 個を疎らにつけ,乳白色で太い赤紫色の条斑が入る.
苞は膜質で広披針形鋭尖頭,長さ 5~10mm.萼片は倒披針形.
側花弁は狭長楕円形で萼片より少し短い.唇弁は長楕円状卵形で赤紫色,
先は 3 裂し,側裂片は突出程度,中裂片は卵形で大きく,少し外曲する.
ずい柱は長さ約 10mm.蒴果は柱状楕円形.
本州(栃木県以西),四国,九州,琉球;朝鮮,中国,台湾,東南アジアに分布する.
常緑広葉樹林内の腐植質に富んだ林床に生え,夏と秋に 2 度咲く株も多くある.
県内ではシイ・カシ帯の全域に散在し,近年は増加傾向にある.
(4)サガミラン Cymbidium nipponicum (Franch. & Sav.) Rolfe; Bletia nipponica Franch. & Sav.
マヤランに比べて花茎と鞘状葉が緑色,苞が 3 角形,長さ 4.5~6mm と短く,
花も小型などの相違いがある(柳川ほか 1981 神自資 (2): 47-54).
関東地方に分布.日本固有種.マヤランと同じような生育環境に生える.
『神RDB06』では絶滅危惧Ⅱ類とされた.
『神植誌 01』では,マヤランの白花品として
C. macrorhizon form. aberrans (Finet)Hid.Takah. & Ohba としたが,
その後の分子系統解析の結果独立種となった.
また,本種には複数の学名が存在したが,
古い時代に発表されていた基準標本が確認され,表記学名となった.
なお,C. macrorhizon form. aberrans の基礎異名
Yoania aberrans Finet もサガミランではなく,
マヤランであることが明らかになっている(Inoue FJ Ⅳ b: 304).


「令和陸年(皇紀2684年)7月5日、記」
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《雅羅・/・襍録〝花筏の今〟❖ ’24-186 ❖》

ハナイカダ(花筏) ハナイカダ... ハナイカダ(花筏) ハナイカダ科(Helwingiaceae)
学名: Helwingia japonica (Thunb.) F.Dietr. subsp. japonica
《  泉の森・定点観察樹花〝花... 《  泉の森・定点観察樹花〝花筏〟樹の実Ⅰ❖ ’24/07/04 ❖ 》
ハナイカダ(花筏)は、散策路の片隅にひっそりと佇んでいる。
4月に地味な花を咲かせた。数ヶ月を以て実になり熟した。
解説書等の図鑑では、果実は秋ごろ黒く熟し、液質、とあるが!?!
近年、成長が早まっている(時期感覚で)。見事な果実になっていた。
小鳥の餌食にならず健気に実になって。
一見、葉の上に巧く乗っているように見え楽しい。
又、季節感覚では旧暦のようだ。花の先祖返りの様に、歴の先祖返り!!

「令和陸年(皇紀2684年)7月4日、記」
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《雅羅・/・襍〝備忘録 '24-15〟❖ ’24-185 ❖》

ノジトラノオ(野路虎の尾) サ... ノジトラノオ(野路虎の尾) サクラソウ科(Primulaceae) 
 学名:Lysimachia barystachys Bunge
ノジトラノオ(野路虎の尾)の蕾... ノジトラノオ(野路虎の尾)の蕾。
ノジトラノオ(野路虎の尾)〝7... ノジトラノオ(野路虎の尾)〝7月草花Ⅱ〟
葉が極めて細く茎にやや褐色を帯びた毛が見られる。
花は正にサクラソウ科の花。一つ... 花は正にサクラソウ科の花。一つの小花の並びが美しい。
穂の先端が尖らずに太く平たく切... 穂の先端が尖らずに太く平たく切れている。
穂の先端に線形の苞葉が密集しているのも面白い。
(以上の画像すべて借り物)

*     *     *

茎や葉に微細な褐色の毛が見られるが、毛は短く、花序がほぼ直立する多年草。
茎高30~100㎝、匍匐する根茎をもつ。上部で分枝し多細胞の絡んだ毛が密生する。
葉は互生又は類対生、ほぼ無柄、長楕円状披針形~倒披針形~線形。
長さ4~10㎝×幅0.6~2.2㎝、下面は上面より毛が多く、
基部は幅が漸尖し、先は鈍形~鋭形。
総状花序は長さ4~6㎝、花が多数つき、果時には30㎝以下に長くなる。
苞は線状錐形、縁がある。花柄は長さ4~6㎜、普通、苞よりわずかに短い。
花はしばしば、扁側する。咢片は長楕円形、長さ3~4㎜、縁は膜質、先は円形。
花冠は白色、花冠筒部は長さ約2㎜、花冠裂片は長楕円状へら形、長さ5~8㎜×幅約2㎜、
しばしば、暗紫色の腺の線条があり、先は鈍形~わずかに凹形。
雄蕊は突き出ない。花糸は花冠筒部につき、分離した部分は長さ約3㎜、腺のある微軟毛がある。
葯は楕円形、背着、長さ約1㎜。子房は無毛。花柱は長さ3~3.5㎜。
蒴果は類球形、直径2.5~4㎜。花期は5~8月。 
* ヌマトラノオは全体に無毛、葉幅が狭く、花序が直立する。
* オカトラノオは茎に短毛がまばらにあり、葉幅が広く、
幅2 ~5 ㎝、蒴果が直径約2.5㎜の球形。
花が虎の尾に似る オカトラノオ  とそっくりだが、葉が狭く、茎に毛が生える。
 イヌヌマトラノオ  と同じく、湿地や湿った場所に生える。
*     *     *
図鑑等の解説書には、以上のような説明書きがある。
又、神奈川県植物誌、2018年版には下記の説明文がある。
(8)ノジトラノオ Lysimachia barystachys Bunge
多年草.高さ 70~100cm.茎の下部は淡緑色.葉は縁および両面に毛がある.
葉腋に 1~2 枚の小型の葉をつける
ことが多いなど茎の単位長当たりの葉数がオカトラノオより多い.
葉腋周辺は淡緑色.花期は 6~7 月.茎頂に長さ10~30cm の総状花序をつける.
花冠は径 8~10mm.蒴果は球形,径約 2mm.
本州(関東地方以西),九州;朝鮮,中国などに分布.やや湿った草原に生える.
県内では相槙原台地の相模原市や大和市などの標本があるが,
2011 年以降では,相模原市の相模川左岸土手で採集された標本しかなく,
生育地は著しく減少していると思われる.
なお,『神植目 33』には横浜,川崎の北部や高座の記録がある.
『神 RDB06』では絶滅危惧ⅠA 類とされ,『国 RDB15』では絶滅危惧Ⅱ類とされた.

《 〝泉の森で見られた野草・ノジトラノオ〟7月草花Ⅱ 》
かつてこの時期に見れた(記録メモより)〝野路虎の尾〟。
現泉の森の北東側は丘状の斜面であったようだ。
宅地開発で今は住宅地になっており森との境は、様変わりしている。
かつて存在していた野草が、再度顔を見せるかもしれない。
自然淘汰、消滅しても仕方ないが森の縁で見られるのでは、と散歩する。
忘れないように来年に期待し備忘録として、とどめおく。

「令和陸年(皇紀2684年)7月3日、記」
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《 雅羅・/・囈〝伝統・文化〟❖ ’24-184 ❖ 》

地元で開催されている刺し子の展... 地元で開催されている刺し子の展示会。
色・柄の組み合わせ。実に面白い... 色・柄の組み合わせ。実に面白い。洒脱・瀟洒。
古くは、袖口の形状で着る人の身... 古くは、袖口の形状で着る人の身分が分かった由。

自生の「ヒメサユリ」は、是非是非に拜見してみたいが他にもう一件。
会津田島付近には、郷土文化的な衣服・刺し子が今に伝わっている。
全国の歴史的環境を思考していた若い頃、南会津の“大内宿”を観に行った。
その折、南会津の“南郷刺し子が今や観られない”と聞いていた。
(その頃、植物まで思いは及んでおらず、姫小百合は知らなかった。)
そんな伝統的庶民文化が復活していると最近知った。
福島県有数の豪雪地帯の手仕事;
福島県の会津地方、奥深い山々のある夏は過ごしやすいが豪雪地帯。
古く江戸時代から昭和初期??頃まで男衆(男性の呼び方)は、
冬場、屋根葺き(茅葺き屋根)の出稼ぎに家を留守にしていた。
その萱の刈場が現存しているのも貴重な場所でもある。
豪雪地帯での特有の手仕事は、各地に女性達の手仕事として残っている。
冬場、女性達は保存食・着物の仕立て・機織り、糸紬等々を処していた。
冬場の屋内でできる家仕事、南会津には手仕事「南郷刺し子」がある。
「刺し子」とは、布がとても貴重だった江戸時代に始まったとされる。
日常着の麻布に布を重ねて木綿糸を刺して生地を補強、破損部分の補修、
暖かい空気を衣服内に留める保温の工夫として、刺し子が生まれた。
青森県の「津軽こぎん刺し」や「南部菱刺し」、山形県庄内の「庄内刺し子」。
此等はすべて東北地方の豪雪地帯に伝わる刺し子。
「南郷刺し子」の特徴は、刺し子をする対象が“ハレの日に着る絆纏”であった。
ハレの日の刺し子と言われるのは、絆纏の全面に刺された縁起の良い刺し子模様。
背中の中央部分の一番目立つ場所に刺される麻の葉(あさのは)の模様。
生命力強く成長が早い麻の葉を家族の健康やお家繁盛等の祈りが込められている。
前身頃や袖といった他の箇所にも、亀甲(きっこう)や七宝(しっぽう)つなぎ、
柿の花(かきのはな)といった縁起のいい模様が刺されている。
南郷刺し子は補修や補強を目的とする以上に作り手の楽しみも込められている。
ハレの日とは、結婚式等の特別な日ではない。
日々の暮らしの中の少し特別な時のこと。庶民文化そのものと思える。
今の時代で云えば、勝負服的感覚を思うのである。
更には、「よそいきの装い」こんな表現も今や死語かもしれないが。
思いは色々尽きないが、来年には是非に訪れたい所である。

「令和陸年(皇紀2684年)7月2日、記」
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《 雅羅・/・備忘録〝温暖化?〟❖ ’24-183 ❖ 》

緑濃い会津田島近郊の景観。 緑濃い会津田島近郊の景観。
高清水自然公園内のひめさゆり群... 高清水自然公園内のひめさゆり群生地の木道。
保護・保全が施されている。
オトメユリ(乙女百合) ユリ科... オトメユリ(乙女百合) ユリ科(Liliaceae)
学名:Lilium rubellum
別名: ヒメサユリ(姫小百合)
**以上の画像は、観光協会パンフから転載。**

オトメユリ(乙女百合);〝7月草花Ⅰ〟
自生地域では、「オトメユリ」よりも「ヒメサユリ」で知られる。
会津田島近郊の高清水自然公園・ひめさゆり群生地。
標高850mの山の上、7㌶の面積に100万本の「ひめさゆり」が自生。
その規模は日本一と言われ「天空のひめさゆり」と呼ばれている。
群生地は、大切に維持管理され群生地には木道が整備されている由。

日本固有種の百合で、山形・福島・新潟県の県境周辺にのみ自生する。
野生種は、環境省のレッドリストでは準絶滅危惧(NT)、
国際自然保護連合(IUCN)のred-listではEndangered (EN)に指定され、
希少・絶滅危惧種で、地元関係者の尽力には畏敬の念を持つ。
高さは30-50cm程度。鱗茎は卵形で、葉は広披針形をしている。
花は筒形で横向きに開く。花径は5-6cm程、長さは8cm程度。
花は薄いピンク色で斑点がないのが特徴。
ヤマユリほどではないらしいが、花の香りは甘くとても濃厚である由。
良く似たユリにササユリがあるが、オトメユリは雄蕊の先が黄色い。

南会津町の高清水自然公園の「ひめさゆり群生地」は、
古くから家屋のかやぶき屋根の材料である萱の刈り出し場であった。
この刈り出し場自体も希少・貴重、共々慎重に保存・保全してほしい。
共生してきた最良・最高の環境でもある。是非是非、拜したくおもう。

「令和陸年(皇紀2684年)7月1日、記」
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《 雅羅・/・襍囈〝里山管理〟❖ ’24-182 ❖ 》

オオバノトンボソウ(大葉蜻蛉草... オオバノトンボソウ(大葉蜻蛉草) ラン科(Orchidaceae)
学名:Platanthera minor (Miq.) Rchb.f.
別名:ノヤマトンボ(野山蜻蛉)... 別名:ノヤマトンボ(野山蜻蛉)。それに相応しい姿。

〚 〝刈り取られた草??〟泉の森・山野草園  2024/6/30  〛
オオバノトンボソウ(大葉蜻蛉草);6月草花Ⅶ
本州〜九州の丘陵や浅い山の林内に生える多年草。
根は紡錘状に肥厚する。茎は30〜60cmになり、翼状の稜がある。
葉は互生し、下方の2〜3個が大きく、上のものほど小さい。
最下の葉は7〜12cm、幅2.5〜3.5cmの長楕円形で基部は茎を抱く。
裏面の主脈の下半部は翼状にはりだして茎の翼に続いている。
花は黄緑色。背萼片と側花弁はかぶと状に重なる。
距は長さ1.2〜1.5cmで子房より長い。
唇弁は反り返り、距は子房より長い太い花柄のように見える部分が子房。
よく似たヤマサギソウは側花弁が背萼片より高く開く。
*       *
泉の森の大葉蜻蛉草は、キャンプ場広場前の林床で見られる。
近年、大葉蜻蛉草の保護・観察の為、生育地周辺が柵で囲われた。
一般人は、柵内に入れないので今の実情はわからない、のだが. . . 。
先日('24/06/30)、柵に沿っての柵外側で大葉蜻蛉草を確認した。
又、近くの林床にマヤランも数茎確認、開花を見せてくれた。

大葉蜻蛉草というよりノヤマトンボ(野山蜻蛉)の方が似合っている。
この時期、草丈が高くなっているのと周囲の緑に紛れて中々見つからない。
他所では、自生地自体が減少しているのでめったにお目にかかれない。
泉の森の自生は、貴重である。少しだが自生も広がっているやに感じる。

泉の森の中に山野草園と呼ばれる区域がある。
シュンランやキンラン等々、ラン科の植物が見られる所だ。
そんな所の指定散策路柵下に細い野草が2茎立っているのを見かけた。
最初見た時は、オオバノトンボソウか??と思った。。。
花芽~蕾等、茎の感じも違う!?!周辺環境も違う、興味津々だった。
オオヤマサギソウ(大山鷺草)とかヤマサギソウ(山鷺草)とか、
はたまた、ミズトンボ・・開花を楽しみにしていた。
所がである・・・先日、寄ってみると綺麗に下草刈りされ失くなっていた。
下草刈りの必要性は???がっかり通り過ぎて怒りを覚えた。
里山、それを管理するのは役人だ。植物を如何に考えているのか、と??
“画一的貧化”なる事は、さんざんと云われてきた事であるのに。
山野草園と銘打っているのに。管理者に問いたい何故・今、下草刈り、と。
共存共栄を・・・異なる立場の者での話し合い、取り決めが必用である。
生物共同体的均衡(Gleichgewicht der Biogemeinschaft)なんて関係ないか。
真摯に・・・管理者等、関係者の協議・善処を求めたい。
来年も顔を出してくれ、って念じて止まない。
山野草園をひなた山に登る道。 ... 山野草園をひなた山に登る道。
画像の右側部分、下草刈りされた所に2茎が立っていた。
'24/06/15に写した画像... '24/06/15に写した画像。見にくいが2茎が姿を見せていた。
道路沿いを下草刈りしてあった。... 道路沿いを下草刈りしてあった。何故いまの時期に??
上画像の刈られた境目の所で残っ... 上画像の刈られた境目の所で残ったミスミソウの株。
1990年代後半頃から見てきたミスミソウ。
植栽されたものだ。しかし北国に自生している草本。
温暖なこの地で生き続けてる貴重種。残っていて良かった。
自然のままに生き続けてほしい。

「令和陸年(皇紀2684年)6月30日、記」
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