前作に読みました 『その妻』(中公文庫) の前に刊行されています『冷やかな肌』です。
前作は、明野照葉の最新作ということで優先して読みましたが、この作品も<明野ワールド>が広がり、女性主人公の「女」のしたたかさが描かれています。
総合商社「ダイショー」に勤める<相沢夏季>と年下の<小谷野良佳>と二人は、急成長している飲食店「シノワズリ」に、共同事業の展開を視野に入れての調査目的で出向させられます。
出向先では38歳ながらにして、経営母体である「王琳」の取締役であり、フランス人の夫があり、野菜を仕入れる農家と交渉しながら、3店舗の「シノワズリ」の人員配置までこなす<渡辺真理>の力量に圧倒されてしまいます。
その反面、感情を乱すことなく冷静に物事の判断をこなしてゆく<渡辺>の姿に、何か特別な思惑が隠されていることに気付き始め、<良佳>と二人で<夏季>は「王琳」や<渡辺>の周辺調査に乗り出してゆきます。
<「女」の執念・怨念・すさまじさ>という言葉がぴったりとくる<明野ワールド>ですが、<したたかさ>も加わり、いつもながら楽しめる一冊でした。
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Posted at 2013-05-05 14:44
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Posted at 2013-05-06 00:13
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Posted at 2013-05-06 04:13
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Posted at 2013-05-06 04:19
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