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- 今年の読書(140)『私立探偵・麻生龍太郎』柴田よしき(角川文庫)
警視庁の刑事だった<麻生>は、デスクワークとなる昇進の道を自ら辞して、私立探偵として独立しています。
私立探偵としてはステレオタイプ化された感がありますが、組織からのはみ出す性格と離婚歴は、どうやら定番の条件ですがが、重ねて「ゲイ」という要素が加わっています。
本書は刑事時代の出来事を下地に、恋人(?)<山内練>との関係を平行に描き込みながら、連作として4件の事件が納められています。
4件の事件は、個人的な思い入れのある依頼が発端として始まりますが、どれも結末が見えない中、じっくりと読ませる内容でした。
随所に女性作家ならではの視点だなとおもわせる描写もあり、しっかりとした構成力は、さすが著者ならではと読み終えました。
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