今年の読書(144)『浜村渚の計算ノート 3と1/2さつめ』青柳碧人
Nov
30
本来のこのシリーズは、数学テロ組織「黒い三角定規」の陰謀を解決する話が、1冊につき4話ほど納められていますが、本書はテロ事件から離れ、数学好きの人間だけが集まる奇妙なリゾートホテル「ホテル・ド・フェルマ」で起きた密室殺人事件の解決に乗り出します。
初めての「文庫書き下ろし作品」としての長編で、全編を通じて<フェルマーの最終定理>や<パスカルの三角形>・<クラインの壺>などの数学的要素がちりばめられ、数学好きの<渚>としては楽しめ、同行した語り部役の刑事=「僕」こと<武藤龍之介>の推理も冴えを見せます。
宿敵の首謀者<高木源一郎>や<霧雨リチャードソン>・<キューティー・オイラー>の逮捕がまだできておらず、このあと2冊が出ていますが、とりあえずここで一区切りです。