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- 『雨にもまけず粗茶一服』(下)松村栄子(ピュアフル文庫)
一般的に(上・下)本の場合は同時発売されるのが多いと思いますが、本書は2か月おいて(下)が出版され、待ち遠しい一冊でした。
(上) の後半は、「武家茶道坂東巴流」の<友衛家>から<宮本武蔵>作の茶杓がなくなっていたところで終わりましたが、(下)で主人公<友衛遊馬>の祖父の老いらくの恋が原因であることが判明します。
(下)では、京都の宗家巴流の長女<奈彌子>の恋、内弟子<カンナ>と<今出川幸麿>の結婚話し、そして<遊梅>の恋物語が語られ、家元を継ぐべく心機一転嫌、比叡山の修業にと足を向けて物語は終わります。
<遊馬>の茶道家元に目覚める成長物語を骨格として、茶道の所作に留まらず、書画・骨董・茶器・和歌・花・お菓子・茶室といったモノが絡み合う総合芸術としての知識が身に付きました。
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