<柳田國男>の著作に東北の民話に関した『遠野物語』がありますが、そのもじりでしょうか、「常野(とこの)物語」という副題が付いています。
「常野」というのは、地名でもありまたその地域に根差した特殊な能力を持った一族の名称でもあり、権力を持たず、群れず、常に在野の存在であれという意味が込められています。
本書は10話からなる連作短篇集で、「長寿」・「膨大な記憶力」・「遠くの出来事を知る力」・「予知する力」などの能力をそれぞれの登場人物が持ち、普通の人としてひっそりとして暮らしている生活を基本として一族の様子が描かれ、日本中に散らばった一族がまた結集するかのように本書は終わります。
<遠野一郎>は、その容姿から「ツル先生」と呼ばれる一族の長老でもあり『つむじ足』という速く移動できる能力を持ち、一族全般にかかわる重要人物として、今後の物語へのかかわりが楽しみです。
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