人気作家の著者としては珍しく、本書は1999年から2010年に書かれた五つの中短篇で構成された2冊目の文庫オリジナルで、個人短篇集未収録作品です。 超常現象を題材にした作品や、表題の『チヨ子』のようにぬいぐるみの思い出にまつわるファンタジー的な作品が納められています。 『チヨ子』以外の作品は、殺人事件に絡むミステリーっぽい内容で、どれも見事な結末でまとめられているあたりは短篇の名手としてのうまさを感じ、面白く楽しめました。