サブタイトルに「耳袋秘話」と付く、殺人事件シリーズで、与力同心組屋敷がある八丁堀で、2人の同心が座頭らしき人物に切り殺されたところから物語は始まります。
南町奉行<根岸肥前守鎮衛>は、町奉行の威信にかかわる事件だと考え、側近の<坂巻弥三郎>と同心の<栗田次郎左衛門>の二人に命じて調査を始めますが、次々と同心殺しが行われ、<根岸>までもが狙われてしまいます。
本書は5章からなる連作短篇の形式をとり、それぞれの章で江戸市中で起こる事件を解決しながら、並行して同心殺しの真相に迫っていきます。
62歳の<根岸>ですが、5年ほど前に妻<おたか>を亡くし、いまは船宿「ちくりん」にて芸者<力丸>と楽しみながら事件を解いてゆく様は、興味の尽きない主人公として楽しめる一冊でした。
- If you are a bloguru member, please login.
Login
- If you are not a bloguru member, you may request a free account here:
Request Account