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- 『絲的炊事記 豚キムチにジンクスはあるのか』絲山秋子(講談社文庫)
本書は、2006年『沖で待つ』で第134回芥川賞を受賞している著者が、自ら調理するB級グルメの奮闘エッセイー集で、笑えました。
東京を離れ、群馬県高崎市に移り住んでいる著者ですが、車で15分かかるスーパーマーケットで食材を揃え、「現直」(現地で直接販売している野菜類)を手に入り、一人暮らしのキッチンで試行錯誤をしながらの料理が、楽しくもあり、ときに哀切を感じさせます。
初出は『Hanako』ですので、女性向けの料理エッセイというのも面白く、また文章も著者の人柄がよく出ていると感じました。
たとえば、副題にもなっている「豚キムチにジンクスはあるのか」の文中の表現として<・・・しかも嫌な世間を忘れられ空前絶後百鬼夜行天網恢恢疎にして漏らさずスーパーエコノミカルグレイテイストリミテッドなおすすめ料理、それはずばり豚キムチです>などは、さすが文学者的表現で説得力があります。
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