今年の読書(64)『美雪晴れ』<みをつくし料理帖>髙田郁(ハルキ文庫)
May
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天満一兆庵のご寮さんこと<芳>は、名料理店「一柳」の主人<柳吾>から求婚され、板前<又次>を亡くすなど悲しい出来事がありましたが、「つる家」にとっては朗報で、<芳>の息子<佐兵衛>も快く母を祝福して無事に婚儀が終ります。
<澪>は以前から考えていた幼馴染の<あさひ太夫(野江)>の身請け話を進めるために、自らが考案した「鼈甲珠」を、焼け落ちた吉原の再建工事中の「翁屋」の店先を借りうけて商売を始めます。
<澪>の後釜として、すでに<柳吾>が推薦する板前<政吉>が「つる家」に入り、いつ<澪>が抜けてもいい体制が作られていきますが、女料理人として自らの行く末に苦悶する日々が続くのでした。