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- 今年の読書(86)『薔薇を拒む』近藤史恵(講談社文庫)
両親を交通事故で亡くし、施設で育っていた17歳の<鈴原博人>は、3年間働くと大学の授業料の面倒をみるという条件で、同じ17歳の<樋野薫>共々和歌山県の山奥の屋敷に住み込みで働き始めます。
屋敷には雇い主<光林康雅>の後妻<琴子>と先妻の17歳の娘<小夜>を中心として、<小夜>の家庭教師<角倉>、家全般の面倒をみている<中瀬>達が住んでいます。
身よりのない苦学生をなぜ<光林>は援助するのかわからないまま、<鈴原>と<樋野>は屋敷の雑用をこなす日々が続き、二人は<小夜>に惹かれていきますが、<小夜>は<樋野>に気があるようで、<鈴原>は黙って見守るしかありません。
そんなある日、池に浮かんだボートの中に<中瀬>の刺殺死体が発見され、また<小夜>の愛犬<桃子>が行方不明になるという事件が続けて発生します。
屋敷に住む人たちの複雑な人間関係が明るみに出るなか、<角倉>まで包丁で何者かに襲われ、<光林>が東京から戻ってきた夜に屋敷は放火され、事件は思わぬ結末に導かれて行きます。
最後の一行で本書のタイトルの意味が理解でき、読者を驚愕させる一冊でした。
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