『消えた人達 爽太捕物帳』北原亞以子(文春文庫)
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生き延びるために、<爽太郎>はみなしご仲間の<徳松>や<竹次郎>達と手を組み、置き引きやかっぱらいをしていましたが、やがて鰻屋の「十三川」に奉公、一人娘の<おふく>の入り婿となり、また南町奉行の定町周り同心<朝田主馬>の計らいで、岡っ引きとなり、<徳松>と<竹次郎>は手下として働いていました。
そんなある日、同じみなしご仲間の<弥惣吉>から、女房の<おせん>が姿を消したとの相談を受け、探すことになります。
同じ時期、穀物問屋の「武蔵屋」の入り婿<栄之助>も、川越の本店から江戸の支店に出向いた際に姿を消してしまいます。
大火で焼き出されたみなしご仲間のその後の15年間の人世を軸に、男と女の悲哀を描いた情感あふれる物語でした。