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- 今年の読書(97)『偽装捜査官』姉小路祐(角川文庫)
刑事ものは殺人事件の緻密な捜査を描いた捜査一課モノが多いのですが、警察署にはその他の部署も多くあり、<堂場瞬一>の 『犯罪被害者支援課』 や 失踪人に絡む事件を扱う 『警視庁失踪課』シリーズ、<南英男>のお蔵入りの事件を捜査する 『迷宮捜査班』シリーズなど味わい深い小説が出ています。
本書は元劇団員の刑事<七曲風馬>27歳が主人公で、3年の交番勤務から突然<南雲剛太郎>警視正から辞令を受け、都庁の地下に新設された都民相談室に配属されます。
そこには、シングルマザーの室長<浅川嘉代>をはじめ、クセのあるはみ出し刑事3名と警察職員の<鈴音杏理>が受付を担当しています。
相談に来たケアーマネージャの相談話から、高齢者を対象にした投資話の詐欺事件を調べ始める<七曲>ですが、捜査の途中に関係者が自殺や水死体で発見され、偽名が横行する実体のない組織に対して捜査は難航を極めます。
元劇団員という特性を生かし、事件の解決は劇団の協力を得て舞台劇として犯人のトリックを突き止めていきますが、大学の後輩である劇団員の<香野紅見(くみ)>との今後の関係も気になるシリーズ(?)になりそうです。
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