読み手は冒頭から、三つの断片的な挿話を読み、どのような物語が始まるのかわからない状況で読み始めなければいけません。
最初は、物語の主人公は<イヴ>ですが、彼女は生まれたときから耳が不自由です。趣味として始めた写真の世界で才能を発揮、彼女が撮影した一枚の写真を眺めているジャーナリスト<ナタリー>の場面。
二番目は54歳の女性店主<フランコニア(フラン)>が、麻薬の売人である男を射殺した新聞記事の紹介。
三番目は17歳の<イブ>と21歳の<チャーリー>のデートシーンです。
この三つの場面から、<イブ>と<フラン>の壮絶な人生の物語が紡ぎだされていきます。
全編を通して根底に描かれているは女性の絆ともいえる運命共同体としての生き方であり、その強い決意に圧倒される展開が繰り広げられる一冊でした。
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