主人公は41歳になった、ルポライター<前畑滋子>です。
宮部ファンなら、2001年に刊行された『模倣犯』を思い出すことだとおもいますが、かの連続誘拐事件から9年が経ち、彼女は事件の本を書くこともなく印刷会社<ノアエディション>に勤めています。
そんな折、職場に12歳の息子<等>を交通事故で亡くした53歳の母親<萩谷敏子>が訪れ、「息子には超能力があるのでは」と事件を思わせるスケッチ画を持参してきます。
スケッチには、<等>が死亡したあとに火事で焼失した家屋跡から、16年前に失踪したと思われていた15歳の<土井崎茜>の死体が発見され、彼の絵には少女らしき横たわった姿と、風見鶏ならぬ「風見蝙蝠」が描かれており、実際に燃えた家の屋根に取り付けられていました。
興味を抱いた<前畑>は火事の現場に出向き調査を開始、<等>の周辺環境を調べていくうちに、彼の「サイコメトラー」としての能力を確信するに至ります。
<前畑>が経験したおぞましい連続誘拐殺人事件の殺人現場である山荘のスケッチもあり、(下)巻への終結に向けて今後の展開を楽しみに(上)巻を読み終えました。
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