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- 今年の読書(43)『フラッシュモブ』遠藤武文(光文社)
副題の「警視庁情報分析支援第二室<裏店>」は、迷宮入りした事件の資料が捜査継続中という名目のもと各地から送られてくる部署で、そこには変人キャリアの<安孫子>警視正ただひとりが所属している部署です。
本書は 『炎上』 に次ぐ<安孫子>を主人公とする第二冊目に当たり、五つの事件が収録されています。
相も変わらず尊大で気難しく、誰に対しても無礼な命令口調で、しかも面と向かって相手に言い続ける態度には、閉口させられます。
また職務そっちのけで日夜、怪しい研究実験を<裏店>で行っていますが、一度事件に首を突っ込みますと、あざやかな推理で事件を解決してゆく手際の良さを見せつけてくれます。
憎めないキャラクターとして、これからシリーズ化されていきそうな<安孫子>警視正の事件簿として、小気味よい文章で楽しめました。
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