読み終った読者の多くが、<ケヴイン・クライン>が主演した大統領の替え玉話をコメディに描いたアメリカ映画の『デーブ』(1993年)を、思い出したのではないでしょうか。
売れない役者の<加納慎策>は、国民党総裁<真垣統一郎>と瓜二つで、舞台の前座として総理の物真似で人気を得ていました。
そんなある日<慎策>は見知らぬ男たちに拉致され、総理官邸に連れて行かれますが、そこで内閣官房長官の<樽見>から、総理が病気で入院、彼の替え玉役を引き受けさせられます。
まったくの素人として政治の世界に飛び込んだ<慎策>が見たモノは、国民の生活を無視した不条理な現実ばかりでした。
熱血漢あふれる<慎策>は、<樽見>の指示を仰ぎながら政治・経済問題を処理していきますが、<真垣>が亡くなり、やがて<樽見>も心筋梗塞で亡くなってしまいます。
絶体絶命の窮地のなか、アルジェリアの日本大使館がテロ組織に占拠され、<慎策>はひとりで解決していかなければなりません。
非常にわかりやすく国会や議員の現状が描かれていると共に、日本の問題点を克明に描き出しながら、ユーモアあふれる構成で、ときに涙させる場面も多々あり、面白く楽しめた一冊でした。
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Posted at 2016-04-10 16:29
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Posted at 2016-04-10 16:36
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