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- 今年の読書(64)『三つの秘文字』S.J.ボルトン(創元推理文庫)
イングランド北東110キロ離れたシェトランド諸島を舞台とするのは、<アン・クリーブス>の 『大鴉の啼く冬』 がありましたが、まさに島に伝わる伝説を生かした構成でした。
夫<ダンカン>と共にシェットランドに越してきた産科医の<トーラ>は、亡くなった愛馬を埋めようと庭を掘り出しますが、そこで出産間もなく亡くなり心臓がえぐられた若い女性の死体を発見、背中には三つの「ルーン文字」が刻まれていました。
女性の身元が分かりますが、彼女は解剖による推定死亡時期よりも前に死んでいることが判明、<トーラ>は産科医の立場から調査を開始、同じく島外から移ってきた女性刑事<デーナ>と協力、文字に隠された不可思議な事件の真相に迫っていきます。
(上・下)2巻に渡る表紙には原題である「Sacrifice(犠牲)」がデザインされていますが、北海の閉鎖的な土壌をうまくとらえた作品で、また翻訳者の<法村里恵>の訳も読みやすく、最後まで面白く楽しめました。
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