今年の読書(19)『ヒトイチ 画像解析』濱嘉之(講談社文庫)
Mar
30
主人公は、人事一課、通称「ヒトイチ」のエリート監察係長<榎本博史>です。
第一作目と同様に中篇3篇が収録されています。殺人事件を追うミステリーではありませんが、警視庁という大組織のキャリア官僚を中心とする階級社会・人間関係の複雑な背景が、実にリアルに楽しめます。
庁内で拳銃自殺した事件背景を追う『拳銃自殺』、電車内で痴漢容疑で捕まった黙認する警部補の事件『置換警部補の沈黙』、出産に関してマタハラを受けたとする女警察官の事件『マタハラの黒幕』、一見単純に思われたな事件の裏側には複雑な事情があることが、巧みな構成で、地道に解き明かす過程は、警視庁出身者ならではのリアリティーで迫ってきます。
続編が楽しみな<警視庁人事一課観察係>シリーズです。
Posted at 2017-03-30 19:34
People Who Wowed This Post
Posted at 2017-03-30 20:06
People Who Wowed This Post