停止位置の誤差一センチ以内@リニア中央新幹線
Dec
31
既存の新幹線と異なり、指令所からコンピューター制御で運行管理するため運転士がいないリニアは、線路にあたる「ガイドウェイ」に流れる電流を検知することで、車両の現在地を把握できることにより、JR東海は1997年から試験車両「L0(エルゼロ)系」などを使い、山梨県内の実験線でこれまでに地球66周分、計267万キロを走行。位置を一センチ刻みで把握する技術を確立し、客が乗降する駅での停止位置のずれも前後一センチ以内に収めるめどが立っています。
JR東海によると、運転士が操る東海道新幹線は、各駅ホームの端にある「停止位置目標」に先頭部分を合わせて停車する。「のぞみ」停車駅を中心に設置が進むホームドアの幅に限界があることなどから、許される誤差は前後最大1メートルずつ。単純計算でリニアは百倍の精度を実現させます。
精度の向上は、正確なダイヤ、ホームの設計の容易さに加え、安全性の向上にもつながります。列車間の距離を正確に把握できることから、全ての列車を一斉に減速、加速させるなど既存の新幹線、在来線にはできない対応が可能に。危険の効果的な回避や、乱れたダイヤの素早い回復が期待できるといいます。
JR東海は2020年春に「L0系」の改良型試験車を完成させる予定です。関係者によると、内装などの見直しで車内の騒音を減らす改良を続け、最高速度の時速約500キロで走る場合でも、時速285キロの現行新幹線「N700A」並みの音量を目指します。「N700A」の数値は非公表ですが、普通席でおおむね70~90デシベル。浮上して高速で走る「L0系」の騒音は主に風切り音で、断熱材や内装のつなぎ目のふさぎ方を工夫するなどして、車内への侵入を抑えるといいます。