テレビの海外紀行番組の先がけとなった『兼高かおる世界の旅』(TBS系1959年12月13日~1990年9月30日)で知られた旅行ジャーナリスト<兼高かおる>(本名・兼高ローズ1928年2月29日~90歳)さんが1月5日午後8時45分、心不全のため東京都内で死去されています。
兵庫県神戸市生まれ、東京の香蘭女学校を卒業後、米ロサンゼルス市立大に留学。昭和34年12月にスタートした同番組は、プロデューサー、ディレクター、ナレーターを担当。平成2年9月に終了するまで1586回の放送で30年10カ月の間に約150カ国を訪ずれています。
その間、地球を180周した計算となり、個人名を冠した番組としては世界でも類を見ない長寿を記録、日本の放送史に残る金字塔を打ち立てた。まだ海外旅行が一般には自由化されていない時代(放送当初)に、世界各地の魅力を伝え、その後の海外旅行ブームの火付け役となりました。
番組で会った著名人は、<ケネディ>米大統領(当時)や<チャールズ>英皇太子、スペインの画家、<ダリ>、スウェーデンのテニス選手<ボルグ>など、そうそうたる顔ぶれが並びます。番組での上品で丁寧な日本語のナレーションも耳に残っています。
昭和60年には「兼高かおる旅の資料館」(兵庫県淡路市)の名誉館長に就任。61年から平成18年まで「横浜人形の家」(横浜市)の館長も務めましたた。著書も『私の好きな世界の街』(新潮社2000年2月)・『わたくしが旅から学んだこと 80過ぎても「世界の旅」は継続中ですのよ!』 (小学館、2010年9月)など多数。2002年、菊池寛賞、2003年に紫綬褒章を受賞されています。
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