神戸ご当地(1120)市内最古の鉄筋コンクリート校舎立て替え@春日野小学校
May
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春日野小学校は、1916(大正5)年設立の旧筒井小から校舎を引き継ぎ、1948年に3校が合併して発足。校舎は1995年の阪神・淡路大震災にも耐えて避難所となり、復旧工事を経て本館として使用されてきました。
3階建てで、中廊下式の教室の最上階に講堂を配するのは当時の定形化されたプランで、設計者は特定されていません。 校舎正面に狭い間隔で並ぶ柱はリズミカルな印象を与え、玄関の縦長の開口部や3連窓は垂直性を強調。ひさし下に照明器具を置いていた台(持ち送り)などに、高砂産の竜山石が使用されています。
階段の親柱に施されたアールデコ調の幾何学的意匠、階段室に設けられたスパニッシュ様式の八角星形の窓など、「いろんな要素を日本風に翻訳したモダンデザインで、日本人に受け入れやすい」意匠になっています。
しかし、老朽化に加えバリアフリー化などの課題を抱えていることから、同市教育委員会は建て替えを決定。2020年度の工事着手、24年ごろの完成を予定しています。
同小を除くと、神戸市内に現存する戦前の鉄筋コンクリート校舎は、旧二葉小(長田区、現ふたば学舎)と旧北野小(中央区、現北野工房のまち)のみ。国内でも現役の校舎は十数校しかないといいます。