日本鱗翅(りんし)学会東北地区自然保護委員長の<工藤忠>さん(弘前市)は、14日に弘前大で行われた日本昆虫学会のシンポジウムで、準絶滅危惧種のチョウ目(鱗翅目)シジミチョウ科の「ゴマシジミ」が竜飛岬(青森県外ケ浜町)の尾根筋から姿を消したのは、風力発電施設整備と関係があるのではないかと疑問を投げかけています。
<工藤>さんは「1992年に竜飛岬に風車が設置されて以降、風の強さや風向きが変わり、「ゴマシジミ」が卵を産む食草「ナガボノシロワレモコウ」が消滅した」と背景を分析。「今後、生物と自然エネルギーが共存できる環境づくりを考えていく必要がある」と訴えました。
「ゴマシジミ」は面白い生態を持ち、三齢幼虫までは「ナガボノシロワレモコウ」の花を食べますが、大きくなるとクシケアリによって巣に運ばれます。巣に入った幼虫は、体から出る甘い液体をアリに与える一方で、アリの幼虫や蛹を食べて育ちます。
成長した幼虫はアリの巣の中で越冬し、翌年の7月中旬頃に成虫となります。アリは成虫になると同時に襲いかかってくるため、巣の出口や外で蛹になり、成虫となった途端に巣から逃げるように飛び出します。
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Posted at 2019-09-14 18:39
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Posted at 2019-09-14 18:44
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