本好きとしては、寂しいニュースが報道されていました、1894(明治27)年創業の老舗書店「紀陽館森井書店」(金沢市尾張町1丁目)が、4月29日に閉店したとのことです。
多くの閉店してゆく書店と同様に、店主の<森井清城(せいき)>さん(85)の高齢化と郊外にできた大型書店やネット販売の影響で客足の減少が理由だといいます。126年間、4代にわたって親しまれた「まちの書店」だっただけに、多くの顧客に惜しまれての閉店だったことだと思います。
森井書店は金沢城跡に設置された陸軍第九師団司令部に新聞を納入する商店として創業されたとか。2代目店主の<森井ます>さんは「兵隊ばあさん」の異名で知られたようです。書籍や新聞を届ける傍ら、兵士の家族からの荷物もひそかに預かり一緒に届けていました。
減店主の<森井>さんは26歳の時に婿入りして店を継がれました。以来、<ます>さんの孫に当たる<静江>さん(80)と二人三脚で店を営み、高度経済成長期、建設関係の資料集や専門雑誌を扱って販路を拡大してきました。その後、木造の店舗を鉄筋3階建てに建て替えています。
県書店商業組合理事長を務める<森井>さんによりますと、組合に加盟する県内の書店は、昭和末期の約60店舗から40店舗ほどに減少したといいます。閉店後は組合の業務を他の役員に引き継ぐそうです。
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