「オガサワラシジミ」(画像:東京動物園協会提供)
環境省は27日、国の天然記念物で絶滅危惧種に指定しているチョウ「オガサワラシジミ」について、人工繁殖していた幼虫と成虫がすべて死んだと発表しています。環境省は、近親交配によって有害な遺伝子が蓄積され、オスの精子の量が極端に減ったことが原因の一つではないかとしています。
生息地の小笠原諸島(東京都)でも2018年以来、野生の個体が確認されていないため、同省は絶滅の可能性が高まったとしています。
「オガサワラシジミ」は、小笠原諸島に固有の全長十数ミリのチョウで青い羽が特徴。外来種のトカゲ「グリーンアノール」に食べられるなどして個体数が激減しており、2000年(平成12年)には環境省が絶滅危惧種に指定しました。
種の存続に向けて、2005年から東京都の多摩動物公園で繁殖の取り組みを続けていましたが、「種の保存にとって非常に危機的な状況」という残念な報告になってしまいました。仮に絶滅すれば、日本固有のチョウとしては初めてになります。
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