<ポスター>(162)『TOVE/トーベ』@<ザイダ・バリルート>監督
Jul
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日本を始め世界中で愛される〈ムーミン〉の物語。それは<トーベ・ヤンソン>自身の人生を投影して生み出されたものでした。文学、コミック、舞台劇、アニメーションなど、今日においても色あせること無く人々を楽しませ続ける〈ムーミン〉のキャラクターたちは、いかにして育まれていったのか。本作は<トーベ・ヤンソン>自身の人生のあり方とともに、その創作の秘密に迫っていきます。
第二次世界大戦下のフィンランド・ヘルシンキ。激しい戦火の中、画家<トーベ・ヤンソン>は自分を慰めるように、不思議な「ムーミントロール」の物語を描き始めます。やがて戦争が終わると、彼女は爆撃でほとんど廃墟と化したアトリエを借り、本業である絵画制作に打ち込んでいきますが、著名な彫刻家でもある厳格な父との軋轢(あつれき)、保守的な美術界との葛藤の中で満たされない日々を送っていました。 それでも、若き芸術家たちとの目まぐるしいパーティーや恋愛、さまざまな経験を経て、自由を渇望する<トーベ・ヤンソン>の強い思いは〈ムーミン〉の物語とともに大きく膨らんでいきます。そんな中、彼女は舞台演出家の<ヴィヴィカ・バンドラー>と出会い激しい恋に落ちます。それは〈ムーミン〉の物語、そして<トーベ・ヤンソン>自身の運命の歯車が大きく動き始めた瞬間でした。
解禁されたポスタービジュアルは、<トーベ・ヤンソン>が持つ創作意欲や人生への情熱、そして自由へと向かうエネルギーが今にもあふれ出しそうな彼女の力強い姿を、その人生を投影するような存在でもあった〈ムーミン〉という唯一無二のキャラクターとともに表現。ポスターに添えられた〈スナフキン”の言葉「大切なのは、自分のしたいことがなにかを、わかってるってことだよ」(『ムーミン谷の夏まつり』より)が、本作で<ザイダ・バリルート>監督が一番描きたかったという「世界的に知られるムーミンのキャラクターに影響を与えたクールかつ自由奔放な〈アーティストとしての人生〉」と言う言葉をさらに印象付けるものとなっています。