チョウ目(鱗翅目)タテハチョウ科に分類される【ゴマダラチョウ(胡麻斑蝶)】の幼虫は、角のような突起を使って、天敵のハチから身を守っていることが分かったと、近畿大学などのグループが公表しています。
チョウの幼虫は、種類によってさまざまな色や形態があり、日本に広く分布する「ゴマダラチョウ」の幼虫は頭に角のような硬い突起が2本ありますが、何のためにあるのかよく分かっていませんでした。
近畿大学の<香取郁夫>准教授などの研究グループは、屋外で【ゴマダラチョウ】の幼虫を観察したところ、主な天敵はハチの仲間の「アシナガバチ」で、捕食するために背後から覆いかぶさるようにして、首に相当する幼虫の頭の後ろ側の急所にかみつき、攻撃をしていたということです。
そこで、この幼虫と天敵の「アシナガバチ」を同じ空間に入れて実験したところ、幼虫は角のような突起でハチの攻撃を防ぎ、(80%)が「アシナガバチ」を追い払うことができたということです。
また、突起を切除すると、幼虫は防ぐことができずにハチにかみつかれ、(7%)余りしか生き残ることができなかったとしています。
ところが、切除した突起を接着剤で戻すと、(65%)余りがハチを追い払ったということで、幼虫は突起で天敵から身を守っていることが分かり、頭の突起は単純な構造なのに効果が高く、生物の巧みな進化の結果が分かる例だと分析しています。
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