今年の読書(2)『美麗島プリズム紀行』乃南アサ(新潮社)
Jan
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近くて遠い、台湾の本当の姿を求めて歴史と人に寄り添う台湾紀行として、台湾各地を歩いて歴史を紐解き、さまざまな人と出会いながら、旅の途上で湧き上がる心情を綴っています。
前作『美麗島紀行』から5年、台湾への興味と愛は尽きることなく、著者自身が撮影した数々の写真とともに、台湾の多彩な側面に迫る25篇のエッセイ集です。
対得餡総督府の歴史的建造物をはじめ、台北の<ヴィンセント・カレボー>設計の豪華マンション「陶朱隠園」(表紙左中)など、建築設計者の立場として興味深く読め、また、映画好きとして、台湾映画『非情城市』(1989年・監督:侯孝賢)や『海角7号 君想う国境の南』(監督:ウェイ・ダーション)などが登場、著者の台湾全体に対する思い入れが感じ取れる一冊でした。