今年の読書(66)『スクリーンのなかの障害』塙幸枝(フィルムアート社)
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映画の中で障害がどのように扱われてきたのかを考察した<塙幸枝>による書籍『スクリーンのなかの障害』が、2024年11月26日に刊行されています。
著者は成城大学文芸学部の准教授で、『障害者と笑い:障害をめぐるコミュニケーションを拓く』などの著作がある<塙幸枝(ばん・ゆきえ)>が執筆しています。
まえがき・あとがきの間に、全5章からなる構成で、各章で各種の障害が取り上げられ、また本書にも登場する『ケイコ 目を澄ませて』の監督<三宅唱>と、キュレーター・プロデューサーの<田中みゆき>が推薦コメントを寄せています。
ろう者の家族を持つ子供を主人公にした『コーダ あいのうた』が第94回アカデミー賞で作品賞を含む3部門に輝いた洋画作品をはじめ、日本の気鋭の監督たちの『ドライブ・マイ・カー』・『LOVE LIFE』といった障害者が登場する邦画作品が登場しています。
本書では、『フリークス』・『ノートルダムのせむし男』・『エレファント・マン』・『秋のソナタ』・『ポーリーヌ』・『レインマン』・『靴ひも』・『フォレスト・ガンプ/一期一会』・『カッコーの巣の上で』・『ドリーム・チーム』・『アイ・アム・サム』・『ワンダー 君は太陽』・『リンガー! 替え玉★選手権』・『岬の兄妹』・『最強のふたり』・『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』・『パーセント』などを取り上げ、歴史、物語のパターン、当事者性などさまざまな角度から映画と障害のつながりを読み解いていきます。