12日のニューヨーク外国為替市場で円相場は4日続落し、前日比20銭円安・ドル高の「1ドル=152円60〜70銭」で終えています。円の安値は「1ドル=152円69銭」、高値は「1ドル=81銭でした。
朝発表の米物価指標が市場予想を上回り、円売り・ドル買いにつながり、日銀の早期利上げ観測が後退したことも引き続き円相場の重荷となりました。
11月の米卸売物価指数(PPI)は、前月比の伸びが(0.4%)と、市場予想(0.2%)や上方修正された10月分(0.3%)を上回りました。前年同月比では(3.0%上昇)と、10月(2.6%上昇)から加速しています。食品価格が大きく上昇し、食品・エネルギーを除くコアは前月比(0.2%上昇)と、市場予想と同じでした。
米連邦準備理事会(FRB)は17〜18日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で(0.25%)の追加利下げを実施するとの見方が根強く、カナダ銀行(中央銀行)やスイス中銀は今週に(0.50%)の大幅利下げに踏み切ったほか、
欧州中央銀行(ECB)も12日の理事会で(0.25%)の利下げを決めています。米国との金利差はなお大きいとして、ドルがユーロなど主要通貨に対して買われた場面で、対円でもドルが上昇しました。
日銀が18〜19日に開く金融政策決定会合で追加利上げを見送るとの観測も円相場の重荷でした。日本時間12日午後にロイター通信が「日銀は来週金利を据え置く方向に傾いている」とし、日銀内では「海外経済や賃上げ動向をもう少し見極めた上で利上げしても問題ないとの声がある」などと伝えています。前日にもブルームバーグ通信が据え置きの可能性を報じていたあとで、据え置き観測が一段と強まりました。日米金利差の拡大観測による円売り・ドル買いも出ています。