28日のニューヨーク外国為替市場で円相場は4営業日ぶりに反落し、前日比1円05銭の円安・ドル高の「1ドル=155円50〜60銭」で取引を終えています。円の安値は「1ドル=155円76銭」、高値は「1ドル=155円05銭でした。
米株式市場で前日に急落したエヌビディアなど人工知能(AI)関連株が反発し、投資家のリスク回避姿勢が和らいだことから「低リスク通貨」とされる円に売りが出ています。
前日の米株式市場では、中国企業が開発した
「ディープシーク」の低コストの高性能AIが米国のAI産業の脅威になるとの懸念を背景に関連株が軒並み急落でした。28日は見直し買いが入り、ハイテク株の一段安に対する懸念が後退しています。これを受けて円売り・ドル買いの動きが出ました。
<トランプ米大統領>は輸入品に対する一律関税について(2.5%)よりも大幅に高く設定したいとの考えを示しています。インフレ圧力の高まりを背景に米長期金利が高止まりするとの見方も円の重荷でした。
もっとも、円は売り一巡後に下げ渋っています。米連邦準備理事会(FRB)は29日まで米連邦公開市場委員会(FOMC)を開きます。政策金利は据え置くとの見方が強く、<パウエル(FRB)議長>の記者会見の内容を見極めたいとして一方的な円売りは手控えられています。