以前には、赤紅色の 【レウイシア・コチレドン】 を紹介していますが、今回は白色の花を見つけました。 春に葉の付け根に花芽をつけて、花芽は次第に伸びて細い茎に、花径2~3センチのかわいい花を数輪咲かせます。 草丈は山野草(高山植物)として高くなく、5~10センチ程度と低く、暑さには弱く、暖地では5月頃の花後に枯れてしまうことが多い植物です。 <レウイシア>の属名は、この植物を発見した冒険家<メリウェザー・ルイス>の名前に由来しています。
コンパクトデジカメで記録と割り切り写真を撮っていますが、マクロ機能が弱く、小さな対象物になりますと焦点が合わずに思い通りに撮影できない場合が多々ありますが、今回はきれいに花の形が撮りこめました。 気温も高くなり、空き地に 「ホトケノザ」 や 「イタドリ」 が顔を出してきていますが、かわいらしい 【ヒメオドリコソウ(姫踊子草)】 も一緒に咲き出していました。 花は明るい赤紫色の唇形花で、上部の葉のわきから外側に向かって開き、上から見ますと放射線状に花を咲かせています。 花が白い「シロバナヒメオドリコソウ」もあり、これからの散歩、探す楽しみが出てきました。 シソ科オドリコソウ属のヨーロッパ原産の帰化植物として、道端や空き地などで繁殖しており、花の形が笠をかぶった踊り子に似ているというのが名前の由来です。
樹高2メートルほどの<グミ(茱萸)>の木を、川の土手で見つけました。 <グミ>はグミ科グミ属の植物の総称として使われ、熟した果実は食用になります。 果実は楕円形で赤く熟し、渋みと酸味、少しばかりの甘みを持ちますが、<グミ>の実は<ビタミンE>が豊富で果物のなかでもトップクラスで抗酸化作用を持ち、赤色は<リコピン>ですので、これまた抗酸化作用が強い成分です。 アジア・ヨーロッパ・北アメリカに約60種ほどが分布、日本には約15種ほどが自生していますが、その中でも園芸的に栽培されているのは、常緑でツル性の「ナワシログミ」、落葉低木種の「ナツグミ」です。 花は両性・単性があり、花のように見えている部分は<蕚>で花弁はありません。 黄色で筒状、先が4裂して雄しべは4本です。
素焼きのレンガブロックで作られている道路脇の花壇で、レンガブロックの隙間から、黄色の【キンギョソウ(金魚草)】が顔を出していました。 種は微細ですが性質は非常に強靭で、以前にも駐車場のひび割れた床から花を咲かせているど根性な 【キンギョソウ】 を紹介しました。 キンギョソウ(アンティリヌム)属の仲間は、北半球に約40種が分布していますが、現在栽培されている多くは「マユス(majusu)」種で、一般的にこの種を指して【キンギョソウ】と呼んでいます。 「マユス」とは「5月の」の意味で、本来は5月頃に開花することに由来していると思いますが、現在では品種改良が進み一年を通して楽しめます。
住宅街の路地裏で、【クンシラン(君子蘭)】の鉢植えを見つけ、赤色の実が熟していました。 ヒガンバナ科クンシラン属の【クンシラン】は実生での栽培が可能で、一般的には熟した赤い実を春取りして春に蒔きますが、まだ実が青いと秋に取り、一ヶ月ほど陰干して実が柔らかくなったら蒔き、室内の管理になりますが春蒔きに比べて一年早く成長できます。 寒さに当てないと花が咲かないという性質がありながら、冬の霜には弱く、また夏の日差しも嫌いますので、直接の地植えには向きません。 前回の開花後から、あらたに「6枚」以上の葉が成長しないと花が咲かず、新しい葉が「6枚」に満たない場合は、生育に何らかの問題点があるとみて間違いありません。
<生け花> の花材としては、何回も登場しています【オランダカイウ】ですが、植物記としての登場はなく、車道ガードレールの横で元気に咲いているのを撮影してきました。 サトイモ科オランダカイウ属の多年草で、園芸店では<カラー>として販売、業界的には慣習で以前の分類上の名称を用いているようですが、学名としての<カラー>は北海道の水辺に自生する「ヒメカイウ」を意味します。 南アフリカ原産、日本にはオランダを通じて江戸末期に導入されたのが和名の由来です。 花のように見える白い部分は、サトイモ科特有の<仏炎苞>と呼ばれる部分で、漏斗状に巻いた形をしています。 真ん中にある直立した黄色い部分は、花軸が多肉化して小花が表面に密生した形状を持ち、<肉穂花序>と呼ばれています。
本来の開花時期は、日本では5月~6月頃だと思いますが、ポツンと一輪だけ咲いていました【カーペットカスミソウ】です。 ナデシコ科カスミソウ属の多年草ですが、自生地はヒマラヤ近辺の高山植物ですので、日本の酷暑には弱く、園芸店などでは一年草扱いになっていると思います。 別名「オノエマンテマ(尾上マンテマ)」や、「ヒマラヤカスミソウ」と呼ばれています。 地を這うように広がっていくところからカーペットの名が付けられ、成長はやや遅く広い面積をカバーすのには向いていません。 花色は白色もしくは薄い桃色で、花径1センチほどの大きさで5弁花、花弁に赤紫色の筋が入りますので、見分けやすいとおもいます。
個人住宅の花壇の植え込みで、八重咲きのきれいな<水仙>を見つけました。 以前にも副花冠が黄色の八重咲き 「デュエット」 を紹介していますが、本種は花径が7~8センチと大きく豪華な感じです。 咲き始めは全体的に黄味を帯びていますが、次第に中心が橙色の美しい白い花弁へと変化していきます。 1975年に<Murray Evans>によって作出された品種で、性質が強靭で世界中で愛されている名品です。
1939(昭和14)年、神戸で採集された標本に基づき、ハーブの 「カミツレ(カモミール)」 を小さくした花姿から【マメカミツレ(豆加密列)】の和名が付けられた、オーストラリア原産の帰化植物です。 神戸で発見されたということで、マメに探していたのですが、ようやく街路樹の足元に咲く花を発見できました。 キク科タカサゴトキンソウ属に分類され、花は3月~12月とほぼ通年咲いています。 茎の株は地面を這い、上部は斜上して立ちあがり、頭花は4~5ミリほどで中心部に黄白色の筒状花を密生させ、まわりに雌花が並び、雌花には花冠がなく雌しべだけの構成です。
茎が地面をはうように伸び、草丈10~15センチ、花径1~2センチほどの5弁花を咲かせる、ユキノシタ科ユキノシタ(サキシフラガ)属の【セイヨウクモマグサ【西洋雲間草)】です。 花の色は 「桃色」 や 「赤紅色」 などがありましたが、今回白色の花弁を見つけました。 別名「ヨウシュクモマグサ(洋種雲間草)」とも呼ばれ、園芸店で単に「雲間草」として販売されているものは、日本に自生する高山植物の「雲間草」とは別種で、ヨーロッパ原産の野生種から育成された園芸品種です。