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著者としては、前回に読んだ農業問題を基本とした 『幸せの条件』 と同様に、手慣れた警察小説とは趣を変えて今回はマスコミの社会をリアルに描いた作品です。
「キュロス」のテレビコマーシャルに登場する女性タレントが誰なのかわからず、各種芸能記者は、素性を暴くべくやっきになっています。
たまたま所属タレントの付添として現場にいた事務員の<真澄>がCM監督の目に留まり抜擢されたのですが、その後ストーカー行為が続きネットに行動が流されることになっていきます。
ひょんなことで、<真澄>をかくまうことになった週刊誌記者の<栗山>ですが、彼女の窮地を救うべく動き出します。芸能界にうごめく女性の嫉妬やねたみ、マスコミの無慈悲な世界、ネト社会の怖さなどが入り乱れますが、<栗山>の事件解決の落としどころに一抹の明るさが感じられました。
<根岸肥前守>を主人公とする<耳袋秘帖>シリーズは、<妖談>シリーズと、<殺人事件>シリーズの二つに大きくわけられ、本書は、<サツジンジケン>シリーズの第一作目にあrたります。
冒頭はまだ<根岸>は、勘定奉行ですが、南町奉行への役替えに、62歳という年齢に悩む場面から始まりますが、その後名奉行として18年も勤めることになるとはおもってもいませんでした。
家来の<坂巻。と、同心お腹から選んだ<栗田>を伴として、江戸の難事件を解決していきます。
誉田哲也といえば、アグリッシな女刑事を主人公に据えた、 <ジウ>シリーズ や、 <姫川玲子>シリーズ の刑事小説の印象が強いのですが、本書は畑違いの「農業」を主題にしています。
お気軽に片山製作所勤務の<梢恵>は24歳、恋も仕事も中途半端にこなしてきています。発明家を自負する社長から、突然「バイオエタノール用の米を作ってくれる農家を探してこい」との社命を受け、いきなり長野県の農村に出向きます。
突然の飛び込み営業で成果はきたいできず、地元の農業法人「あじもぐ」に住み込みで、農業体験に参加、日本の農業問題、東北大地震の影響、エネルギー問題等を自らの体験を通して考えていきます。自給率等の数字のマジックなど、読みながら<神門義久>の 『日本農業への正しい絶望法』 を思い出しておりました。
<警視庁被害者支援課>シリーズとして、 『邪心』 に次ぐ第三作目が本書です。
支援課の<村野>にかかってきた、電話の相手<青木那奈>は、以前にも<青木有里>が8年前に父を殺されたことで担当したことがありました。
こんかいは、養父が、仕事場で殺されているのを発見、そうさほんぶは、<那奈>の不振亜態度に疑問を感じています。
前作で所轄から支援課に異動した<安藤梓>の成長も著しく、なんと著者の <失踪課>シリーズ の主人公<高城>が登場、ニンマリとさせられました。
l綾瀬署に女性署長着任の 『出署せず』 を読んだのが、ちょうど一年前です。
午後9時、綾瀬署の<柴崎>警部は、笠原工務店の9歳の小学生の女の子<未希>が、未帰宅との通報を受けます。すぐに <高野朋美>巡査 を現場に向かわせます。
想起保護を目指す<坂元>署長ですが、よく似た三買う結事件を抱える神奈川県警は、変質者に関する資料を出し渋る状況で、警視庁の上層部まで巻き込んで捜査は難航していきます。
地道な聞き込み捜査の延長上、工務店内の男女の問題が浮かび上がり、事件は意外な展開を見せます。
著者は、破天荒な刑事<鮫島>を主人とした、『新宿鮫』シリーズ が代表作ですが、本書では、元女性刑事<牧しずり>を主人公に据えています。
警視庁捜査一課に所属していた<しずり>は、強盗殺人事件の聞き込みに先輩刑事の<前田光介>とでむいたさきで、参考人の<村内>が<しずり>を襲い、かばった<前田>は、階段から落ちて、意識不明の重体のまま亡くなります。それを機に<しずり>は、警察を辞め、普通の事務員として6年間静かに過ごしていました。
<村内>は、自転車で逃走、トラックにはねられ死亡で、事件は未解決のままです。
<前田>の墓参りの際、<しずり>は、<前田>の先妻の息子<仲本岬人>と遭遇、トラック事故が偶然ではないことが分かり、事件は、思わぬ展開を見せていきます。
年下の<岬人>にひかれながら、事件の真実を求めるひたむきな行動に危ぶみながらも、真実に迫っていく過程は、著者らしい緊迫感がありました。
l文庫本に巻かれた帯の推薦者が、 <海堂尊>で、「医療本格ミステリー」の言葉に魅かれて読んでみましたが、読後のわたしの評価は、高くありません。
副題に「天久鷹央の事件カルテ」とあり、既刊分を含めて本書が6冊目でした。
手術後のオペ室で、一人の麻酔医が、「見えない誰か」と格闘するようにして、絶命してしまいます。オペ室は密室でした。
容疑者は、術後の患者一人という状況ですが、全身麻酔を受けていて身動きが取れません。
天才女医<天久鷹央>は、部下の<小鳥遊>を病院に潜りこませ事件の解明に当たります。
医学的な緊張感を期待していたのですが、少々思惑とはずれた構成で、既刊(5冊)を続けて読もうという気にはなりませんでした。
刑事小説を中心として、スポーツ分野まで幅広く書き分けています著者の99作品目が本書であり、また<警視庁被害者支援課>シリーズイとして、 『壊れる心』 に次ぐ2作目になります。
リベンジポルノの相談が、大学院生の<綾子>から、支援課にもちこまれました。
まだ直接の被害を受けたわけではない状況のなか、民間のボランティア相談員<愛>が担当することになりますが、、<綾子>と<愛>が、暴漢に襲われる事件が起こってしまいます。
前作で所轄から応援に来ていた<梓>が、今回支援課に異動、女性目線で、いい役割を果たしていました。
捜査を進める<村野>は、リベンジ事件の裏側に辿りついていくのですが、まさにタイトル通り女の「邪心」が織りなす事件を解決に導いていきます。
<坂元真紀>女性署長の綾瀬署ですが、盗犯第二係に配属されている女性刑事<高野朋美>巡査の、刑事としての成長を描いた、5篇の連作短篇集です。
冒頭、いきなり、、<高野>は、警察手帳を失くす場面から始まります。スリの停滞洗礼を受けた<高野>は、上司の<柴崎>に鍛えられながら、しょうねんはんざい、ストーカー、老夫婦宅への強盗事件に携わっていきます。
<坂元>署長も、本庁への移動話がありながら態度を保留、所轄の現場にひかれたのかもしれません。
帯には、彼氏、夫、父、息子、狂気はいつでも誰にでも訪れるとありましたが、11の短篇が収められています。
最初の登場する表題作は、猫の<すず>を主人公とした、ほのぼのとした味わいの短篇でした。
すれ違う男女、寄り添えない夫婦、日常に潜んでいる不条理な出来事を、鮮やかな心理描写で丁寧に描いた作品集でした。
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