キリンビール派であり、ウイスキーは昔から、 「ジョニ黒」 一辺倒ですので、あまり、サントリーとのお付き合いはありません。 <開高健>や<山口瞳>を輩出した社風は面白そうだなとは見ていました。 本書は、現在の<サントリー>の創業者<鳥居信治郎>が、14歳で薬種問屋に奉公に出たところからはじまります、一代記です。 「赤玉ポートワイン」の販売で大成功を治め、「やってみなはれ」精神で、本格的な国産ウイスクーの礎を気づいていく果てなき兆戦の過程が面白く読めました。
本日は、<渥美清>(1928年3月10日~1996年8月6日)の没後20年に当たります。 食堂のテーブルでご一緒させていただく<カラサワ>さんは、映画好きで入院中は話しが合いました。娘さんが『寅さんのむこうに』の写真集を手土産に見舞いに来られ、運よく貸していただきました。 長年に渡る<寅さん>ファンとして、<山田洋二>監督や歴代マドンナの回想録、面白く読めました。
<湊かなえ>は、『Nのために』 ・ 『少女』 ・ 『蝕罪』 などの作品で、ミステリー作家としてのイメージが強いのですが、本書は趣きが異なり少し戸惑いました。 丸福デパートに努める「律子」は29歳。同僚の「由美」は上司と不倫、医者の妻である姉から山登りに誘われた「希美」は翻訳の仕事をしていますが親のスネをかじっています。帽子デザイナーの「柚木」は、以前の彼の面影を引きずっています。 まじめに、正直に、懸命に生きてきた彼女たちがそれぞれ経験する登山を通して、女性心理を丁寧に描きこんだ連作短篇小説でした。 各登山ルートの描写もこまかく、山岳小説としても楽しめました。
(三) に続き完結篇となる(四)です。 第(二)巻では、壮絶な地上戦の連続でしたが、ようやく村上水軍の本領発揮する海上戦が開始されました。 <景>は。著者んp想像の人物ですが、登場する人物たちが、史実に基づくだけに、現実感を以ってせまってきます。 泉州の海賊<七五三兵衛>との結着もつきひと安心したところで終わり、<景>のその後の人生が気になる終わり方でした。
前作 (一) ・ (二) の発売から、一ヶ月間を開けて(三) ・ (四) の続刊の発行です。 (二)では、信長軍と一向宗の門徒たちとの壮絶な地上での戦いが描かれていました。 家名を守るために戦う武士たちと勘定で物事を考える<景>は、序文は、戦に向いていないことを自覚それでも、りふじんな小田軍団にはむかっていきます。 時遅しの感がありますが、毛利家・村上家の軍船も参戦、英知を掛けた軍船での戦いが始まります。
警察官が拳銃を奪われ、その銃で殺される事件が発生。犯人は、同じ京都府警の刑事だと断定されるが、逃走。 被害者の息子<隆司>と容疑者の息子<伸人>は親友だったが、この事件を契機に決裂してしまいます、 この事件を境にそれぞれの家族は、悲惨な生活を強いられますが、<伸人>は映画撮影の小道具係として人生を歩み、<隆司>は事件の信じ湯を求めて警察官のなっています。 事件の真実がわかり、免罪事件だとわかったあとも、<伸人>の父は闇の組織から命を狙われていて息子との再会がかないません。 それぞれの苦難をのりこえながら、真の友とは何かを問う重たい内容でした。
入院している立場として、気になるタイトルとして読んでみました。 多くの現場の声を取り上げているルポだけに、現実感を伴って現在の状況が、よくわかりました。 本書の帯には、「まるで姥捨て山」と表示されていますが、あながち外れてもいない現状におののきを感じてしまいます。 患者おきざりの病院経営と看護師の現状を知るだけで、病院と関わりたくない気持ちが膨らんでいきます。
<伊坂幸太郎>ですので、ミステリー作品化と思いながら読み進めましたが、まったく異色のファンタジー物語でした。 鉄国という国境を接する敵国に戦争で負け支配される城壁の国「夜の国」です。その夜の国に住む人間たちと猫たちの恐怖を描きながら、動く巨大な樹「クーパー」を絡めた話しが語りかけられていきますが、着地地点の見えない進行のなか、最後に伏線が生きてくる構成は、さすが伊坂ワールドでした。
<新・古着屋総兵衛>を連続して 12巻目の 『死の舞い』 まで読みましたので、気分を変えて、第一次世界大戦が勃発(1914年)し、関東大震災(1923年)が発生、激動の10年間に発表された作品が、11作品納められている第1巻を手にしてみました。。 副題として、<日本文学100年の名作>とありますので、続巻として、これから数が続きそうなシリーズになりそうです。 <荒畑寒村>、<宮地喜六>、<長谷川如是閑>など、普段接する機会のない作者の作品などがあり、改めて日本文学の原点を知る上で貴重なシリーズになりそうです。
ビール党、しかも昔からのキリンビール派としては、おもわず手に取りました「講談社α新書」の一冊です。 東京本社から、売り上げの低迷する高知支店へと左遷された著者が、視点の営業マンの意識改革に臨む奮闘記ですが、随所に出てくる消費者側の意見「なぜ、キリンラガービールの味をかえたのか?」は、わたしも疑問に感じ続けているだけにもう少し明快な記述がほしかったところです。 営業マンの参考書というよりは、長年のキリンビール派が気になり手にした人が売り上げに貢献した本書ではないでしょうか?