最近ギター以外クラシック音楽は聴かない。だから、ウィーン・フィルの演奏も年に一度元旦にニューイヤーコンサートをちらっとテレビで見るくらいである。じつは、ウィーン・フィルのコンサートホールでの演奏は聴いたことがない。30年前にムジークフェライン(学友協会大ホール)でクラシック音楽を聴いたが、そのときはウィーン大学のオーケストラであって、ウィーン・フィルではなかった。まあ、当時は学生であったので、オーケストラの演奏する音に関心があったわけではないので仕方がないが、そのとき、国立歌劇場の天井桟敷でオペラを見たので、このときにウィーン・フィルの音は聴いていたはずである。が、音の記憶はまったくなく、まわりに坐っていた普通のお年寄りのおじいさん、おばあさんが芝居を見ずに(というか、天井桟敷なので席からステージは見えない)歌と音楽を聴きながら手持ちのスコアに見入っている姿にウィーンの人々の自分たちの文化に対する造詣の深さを見て感動したことだけが記憶に残っている。
ウィーン・フィルを含めて3大オーケストラといわれる残りのベルリン・フィルはちゃんとベルリン・フィルハーモニーホールで、オランダ、アムステルダムのコンセルトへボー管弦楽団も、ちゃんと地元のホールで聴いた。いずれも、すばらしい音の響きであった。
この本を読むと、やはりウィーン・フィルの音と響きをコンサートホールで一度聴きたいとあらためて思う。まあ、その前に紹介され推薦されているCDを少しずつ聴いていくほうが先かな…。
「音楽を奏でる”響き”は、もともと存在しているものではなく、造り出すもの、生成するものである」と書いているが、これは最近ガムランをほそぼそと演奏していても感じるところである。下手でも同じ曲を同じメンバーで毎週練習し、1年かけて音楽を作り上げていった演奏は、多少失敗しても楽しく充実感がある。まあ、こう感じられるようになったということは、それだけ、みな少しずつ進歩しているということかもしれない。
そして、最後に「フルトヴェングラーの警告」や「アメリカの病」としてのアメリカのオーケストラのコンサートの画一化に対する批判とそれがグローバル化しているクラシック業界への警告を述べているが、これも近年のバリ島のガムランにも当てはまるような気がする。
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Posted at 2010-06-18 23:38
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Posted at 2010-06-19 08:54
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