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写真の中央カヨナン(宇宙樹)の左に善側の人形、右に悪側の人形がおります。このように善と悪に分れていますが、必ず善が強くて正義というわけではなく、バリでは二つの立場は対等です。
これは、人間の心には常に良い心と悪い心の両方が共存しているという意味論的世界観に基づいているのでしょう。バリの面白いところは、この意味論的世界観が、まだ、近代科学がもたらした機械論的世界観に根付いているところです。
バリのガムラン音楽が2つの音のピッチの差によって作られる「うなり」を取り入れていることも、この世界観によるような気がします。
おそらく、我々がバリに惹かれる理由は、こ の辺にあるのではないでしょうか。
しかし、今、バリでも近代化は進み、この世界観にもかなり歪が生じているようです。
ただ、小さい子供は、最初は面白い動きに反応して楽しんでいるのですが、話の内容が理解できないので、だんだん飽きてじっとしていられなくなり、ぐずついてきます。実際、今回も我々の横に座っていた5歳くらいの男の子は、最初、お父さんのひざの上に座ってかぶり付きで見ていたのですが、だんだんと落ち着きがなくなり、最後には、お父さんが抱き上げて会場から出て行きました。
次男は小学校6年生ですので、さすがに話の内容もだいたい理解できたようで、飽きずに最後まで見ていましたが、2回ほど「今何時?」とか「あと何分くらいで終わるの?」と聞いていました。バリでは夜通し行われるようですが、今回はうまく約1時間にまとめられていましたので、次男にはちょうど良かったのかもしれません。
次男から2つほど、質問されました。
ひとつは「何で人がスクリーンの上から降りてくるのか」。「あれは人ではなく、神様だから、空を飛べるのだ。」と説明して納得したようです。
もうひとつは、トゥワレンとムルダの親子の会話で、息子のムルダがお腹を空かせ、「せっかく有楽町に来ているのだから、おしゃれなカフェで食事がしたい。」と言ったところ、父親のトゥワレンが「わしがはじめて有楽町に来た時は、ガード下にある吉野家の牛丼で食事は済ませた。」という掛け合いがあるのですが、ここで吉野家の牛丼を引き合いに出すことが納得できなかったようです。おそらく、外食に慣れていない次男にとっては、おしゃれなカフェで食事をするのも、吉野家で牛丼を食べることも同じことなのです。ご飯が好きな次男にとっては、丼物は大好物ですので、カフェで小洒落た食事をするより吉野家の牛丼の方がいいのでしょう。安上がりでいいのですが、ちょっと私の方が複雑な気持ちになりました。
ということで、今回は、子供をよく観察できて面白かったです。
終わった後、次男も試食会に参加し、タイ料理の鳥肉のグリーンカレー(グェーン・キョ・ワーン・ガイ)と鶏肉バジル炒めがけごはん(ガパオ・ガイ・ラーッ・カオ)に初めてチャレンジしました。口から火を吹いていましたが、美味しかったようです。
先週の日曜日、有楽町の国際フォーラム内ごはんミュージアムへ影絵芝居ワヤンクリ(Wayang Kulit)を見に行きました。
ASEAN DAYというお祭りイベントの中で行われ、お料理の試食会もあるというので、ごはん大好きの次男を誘って出かけました。
演目は、マハーバーラタの「アルジュナの瞑想」で、人形を操る影絵人形使いダラン(Dalang)Pさんと、4人のグンデル演奏者で行われました。Pさんは、日本人初のバリ島のダランです。
次男がPさんのワヤンクリを見るのは2回目ですが、最初は幼稚園のときでしたので、さすがに覚えていなかったようです。ちなみに、グンデルを演奏したKさんの家でバーベキューをしたことは覚えていました。やはり、食べ物の記憶は覚えているようです。
このワヤンクリは、スクリーンの前後、好きなところで見ることができます。前で見ると影絵を楽しめ、後ろですと人形使いの動作やグンデルの演奏を見ることが出来ます。今回は、次男と一緒に、ほとんどスクリーンの前で見ました。
バリではワヤンクリは、カウイ語(古代ジャワ語で、サンスクリット語をベースにしている)とバリ語で行われます。カウイ語は普通のバリ人はわからないので、通訳する人形がバリ語に訳して芝居を見ている観客に説明するのです。今回はもちろんバリ語の代わりに日本語が用いられています。
この通訳をする人形は、善側がトゥワレンとムルダの親子、悪側がデレムとサングの兄弟で、掛け合いをしながら話を進めていきます。そのときに、時事問題や今話題のニュースなどを取り入れて観客の笑いを誘うのです。Pさんはサッカーが好きなので、子供が多いときなどは、これらの話題をよく取り入れます。
つづく
昨日は、近所の伊勢社で例大祭があった。
朝から祭囃子が聴こえる。
カイと一緒に、お参りをした。
春が来た、春が来た。
なんとなく、心ウキウキ。
先週の土曜日、Ombakの公演を南青山CAYで見ました。
ガムランには譜面はありませんが、曲は決まっており即興は行われませんので、他の音楽とのコラボレーションはなかなか難しい音楽なのです。ですので、どんな音楽になるか心配だったのですが、とてもよかったです。
会場は音の共振、共鳴そして、増幅に溢れ、すごかったです。といって、耳障りでもなく、素直に聴けました。とくに、イギル、ホーメイとのコラボレーションはすばらしかったです。
桜田さんがガムランの伝統にとらわれず、踊りや衣装のデザインなども含めて、とても斬新にアレンジしたことが成功した要因でしょう。さすが、学生時代、山下洋輔にのめり込んでいただけあります。
ただ、ひとつ注文をつけると、ゴングはよく聴こえたのですが、低音を演奏していたジュブラーグの音をもうちょっとうまくマイクで拾って欲しかったなと思いました。ジュゴガンもなく、そして、ガムランのOmbak(うなり)を代表するジュブラーグの音が全体的に小さかったので、ホーメイの共鳴に負けていました。
写真は、ゴングクビャールで演奏するバリ舞踊タルナジャヤです。普通、この踊りは、バリの衣装を着て踊るのですが、まるで、フラメンコの踊り(全然違うものですが)を見ているようでした。最後のテレッグも音楽とよくマッチして(お面も含めて)よかったです。
20年前、CAY(スパイラル)の杮落としのときに、ガムランを演奏したという思い出を桜田さんが話していました。そして、私はその20年前に楽器運びを手伝って、楽屋でバリ人と一緒に過ごしていたことを思い出しました。
確か同時期に横浜の高島屋でバリ展が行われ、ガムランの演奏家が数人来日していたのです。ただ、CAYでは、関西の方で呼ばれていた他のバリのガムラングループが櫻田さんらと演奏し、そして、彼らに会うために、横浜で演奏したバリ人もCAYに来ていたのです。
演奏が見ることができなく、バリ人と楽屋で過ごしていたことは覚えていたのですが、何で、バリ人が演奏しないで楽屋にいたのか忘れていました。
ということは、CAYでのステージ演奏を今回まで見たことがなかったことになりますが、数年前に、ジャズマヌーシュ・スウィングのギターリスト、ロマーヌ(フランス)が来日したときの演奏をCAYで見たことも思い出しました。
いや、忘れていても、その場所に行くと思い出すものですね。
今度は6月にまた行うようですので、興味ある方は是非見に行きましょう。
富士山のお皿です。直径が28cmあります。1940年製のノリタケで、紀元2600年を記念して作られたプレートです。釉下彩ではありませんが、なかなか立派だったので、購入してしまいました。
このあと、時代は第2次世界大戦へと突入していくのですね。
下の写真は、名古屋から帰るときに、三島あたりで新幹線の中から撮った写真です。別に、日本大学国際関係学部を宣伝しているわけではありませんが、いい場所にありますね。
今度は、釉下彩磁器の赤富士があれば欲しいですね。赤は難しいかな?
ガムラン仲間のイベントをもうひとつ紹介します。
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アセアン祭り・ASEAN DAY!
とき:2008年3月30日(日)
ところ:東京国際フォーラム(JR有楽町)
ごはんミュージアム内( 一番奥のHall Aを目指して下さい)
入場無料
◎インドネシア伝統芸能 影絵芝居『ワヤン・クリ』
13:00〜14:15(75分程度)
◎インドネシア伝統楽器『ガムラン』コンサート&インドネシア舞踊ライブ
1. 12:30〜 2. 15:30〜 (各回15分)
その他の催し
本場料理店のシェフが教える本格アセアン料理教室
◎シンガポール共和国 料理教室と試食会
講師:シンガポール料理レストラン『新東記』シェフ パトリシア・チア氏
11:30〜12:30(60分程度)
試食定員:先着100名
◎タイ 料理教室と試食会
講師:タイ料理レストラン『KAO TIP』シェフ アサダン・ディアムアヌン
クァン氏
14:30〜15:30(60分程度)
試食定員:先着100名
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http://www.asean-japan-farmersinfo.org/japan/event_detail/
我が家の庭に咲いているクリスマスローズ(写真上)である。昨日アップした写真(だら〜っと!)でも見られるように、カイの犬小屋のそばにある柵からいつも顔を出している。
このクリスマスローズはデンマークではとても人気のある花で、ロイヤルコペンハーゲンやビング&グレンダールのデザインによく用いられる。
下の写真は、ロイヤルコペンハーゲンの1945年におけるクリスマスプレートである。1908年から毎年作られているロイヤルコペンハーゲンのクリスマスプレートは、日本では「イヤープレート」と呼ばれている。
タイトルは、デンマーク語で「Engel foran julerose」、英語で「Angel Looking at Christmas Rose」、すなわち、「クリスマスローズを見つめる天使」。デザイナーは、Richard Bocher。
この1945年のプレートには深い意味がある。春の訪れと共に雪の中から芽を出し、花を咲かせる小さいクリスマスローズ。これは、第2次世界大戦でナチスドイツに占領されていたコペンハーゲンの夜明け、すなわち、コペンハーゲン市民の明るい未来への喜びと希望が表現されている。
とても人気のあるプレートである。
ロイヤルコペンハーゲンのクリスマスプレートは100周年を迎え、101枚目となる今年2008年のクリスマスプレートもコペンハーゲン市内にある教会を背景にクリスマスローズが描かれている。
出張で犬山にあるリトルワールドへ行ってきました。
くれぐれも言っておきますが、仕事で行きました。
早く終わらせたかったので、ちゃんと昼食もぬいて働きましたよ。
そこにあるバリ島貴族の家です。
移築したのではなく、約20年前に実際バリの職人を何人も日本に呼び、最初から建てたものです。
そのときの記録がちゃんと論文になっているようです。
すごいですね。名鉄さんはお金持ちです。
本当にバリにいる気分になります。
磁器は、白色で透光性がある、硬く緻密で吸水性のない微細な組織をもち、叩くと金属的な清音を発するもの定義されています。ここで、重要なポイントは、見落としやすいですが、白色という部分です。すなわち、昨日の曜変天目は白色でない時点で磁器ではないのです。驚いたことに、西洋では磁器は白磁を基準として設定され、東洋陶磁特有の青磁も磁器ではなく、せっ器に分類されるようです。青磁・黒釉磁も磁器と考える東アジアとは根本的に考え方が違います。ということは、もちろん、結晶釉などの窯変釉もせっ器に分類されるということでしょうね。
元来、中国では陶器も磁器も同義語で区別はしていないようで、それを無理やり西洋の言葉で分類したり、説明しようとすること自体に問題があるような気がします。
celadon porcelain(青磁)というのは、日本語英語なのでしょうか。
先日、松岡美術館でも、北宋時代11〜12世紀の定窯で作られた白磁劃花蓮花文鉢(写真)を英語表記で’porcelain’、7世紀唐時代の白磁龍耳瓶を’porcelaneous ceramics(stoneware)’と、表記していました。‘porcelaneous’ってなんでしょうね。さらに括弧付きで、わざわざストーンウェアと説明しています。これで、西洋人は理解できるのでしょうか。疑問です。
ところで、先日お話した素三彩で、
「わざわざ高台に記載されている銘のためだけに高火度で焼成するのでしょうか。」
と、疑問を投げかけましたが、冷静に考えるとありえるなと今は思っています。
なんといっても、素三彩花蝶文鉢は官窯ですからね。それも繁栄を誇った康煕帝の銘(大清康煕年製)です。銘のためにだけで焼くでしょう。さらに逆に考えると、銘がないものは高火度で焼く必要はないということです。
あと、もうひとつの疑問、
「内側はいつ釉薬が施されるのでしょうか。」
も、高台を持って、中と外一緒にどぼっと白釉薬の液の中につければ簡単にできるなと勝手に自分で納得してしまいました。
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