会社数字を活かす:経理部門から見える会社・社会とは?(Day11)「財務経理パーソンの一年間の業務」

会社数字を活かす:経理部門から...
こんにちは!「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしおです。

今日も一昨日に引き続き、私の前職である「財務経理職」という仕事を振り返りながら、異なる視点や考え方をお伝えして行きます。

全体は、下記のような流れで書き綴っています。

全体の流れ・章立て
第一部:財務・経理部門の役割(完了)
第二部:財務経理パーソンの「ありたい姿」(本日)
第三部:経理財務部門をどう活用するか

そして今日も第二部、

第二部:財務経理パーソンの「ありたい姿」を、

私自身の反省も含めて綴って行きます。

章立て
1.財務経理部門の存在意義(完了)
2.財務経理パーソンが目指すもの(完了)
3.「ありたい姿」の具体的イメージ(本日)


「ありたい姿」の具体的イメージ


章立て
1.財務経理パーソンが持ちたい「視点」(完了)
2.一年間の業務イベントとその対応(本日)
3.日々遭遇する事象のどこに焦点を当てるのか?


「一年間のイベントとその対応」

今日の章立て
1.財務経理パーソン業務の一年間の流れ(本日)
2.鍵となる業務
3.業務遂行で留意したいポイント


1.財務経理パーソン業務の一年間の流れ

一年間12ヶ月の財務経理パーソンの担当業務を先ずは、ざっと振り返ってみます。定期的(毎月・四半期・年度)な業務もありますが、3年に一度のタスクや突発的な業務もあります。

私の知っている限りの「イベント」を列挙してみましょう。

なお、業務内容を列挙するに当たり、報告を主な目的とした「財務会計」に関わる業務はもちろん、「管理会計」の業務も含めて、幅広く捉えます。

(1)定期的業務

①毎月:月次決算、及び、予実管理とその報告

②四半期ごと:四半期決算・業務報告・業績見通し

③年度ごと:年度決算(棚卸監査も含む)・税務申告・予算編成・借入枠の更新

④その他:内部監査など様々監査対応

⑤その他、人事管理的な業務:部門としての目標設定・各個人の目標設定と年次評価


(2)3~5年ごと

①中長期経営計画策定(毎年見直しする会社もある)

②従業員意識調査(財務経理部門だけではなく全社対象)


(3)突発的・予期しない業務

①国税庁などの外部監査

②その他


続きは、また明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお

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会社数字を活かす:経理部門から見える会社・社会とは?(Day10)「財務経理パーソンが持ちたい視点」

会社数字を活かす:経理部門から...
こんにちは!「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしおです。

今日も一昨日に引き続き、私の前職である「財務経理職」という仕事を振り返りながら、異なる視点や考え方をお伝えして行きます。

全体は、下記のような流れで書き綴っています。

全体の流れ・章立て
第一部:財務・経理部門の役割(完了)
第二部:財務経理パーソンの「ありたい姿」(本日)
第三部:経理財務部門をどう活用するか

そして今日も第二部、

第二部:財務経理パーソンの「ありたい姿」を、

私自身の反省も含めて綴って行きます。

章立て
1.財務経理部門の存在意義(完了)
2.財務経理パーソンが目指すもの(完了)
3.「ありたい姿」の具体的イメージ(本日)


『「ありたい姿」の具体的イメージ』


章立て
1.財務経理パーソンが持ちたい「視点」(本日)
2.一年間のイベントとその対応
3.日々遭遇する事象のどこに焦点を当てるのか?


『財務経理パーソンが持ちたい「視点」』

1.ROIと効率化
2.キャッシュを生み出す仕組み
3.世の中の動きとビジネスの在り方の関係


1.ROIと効率化

(1)先日、財務経理部門の役割を人体に喩え、お金を「血液」に見立てて体内に行き届いているか、「血流」はどうかをモニターすること、とお伝えしました。

(2)お金が潤沢にある会社は例外として、企業が保有するお金や資産など(リソースとも表現します)が適切に活用されているか、即ちROI(Return on Investment、投下資本回収率)を常にモニターする視点が必要です。

(3)またROIの分子のReturn側、即ち回収される利益やお金を最大化することが、ROIを向上させることに繋がるのは自明です。

従って、事業活動の効率化がなされているか、効率化に寄与するような仕組みづくりが出来ているか? このような「効率化」への視点も重要だと考えます。


2.キャッシュを生み出す仕組み

(1)ROIとは少し論点が異なる視点として、キャッシュを生み出す仕組み、つまり「ビジネスモデル」への関心を多いに持ちたいです。

(2)ROIのI(Invesstment、投資)は金額に置きなおした投資額(土地や設備の購入・会社の吸収合併など)の意味合いが強い気が個人的にはします。

一方、ビジネスモデルでは、ノウハウやアイディア、仕組みと言った目に見えない資産(ソフトな資産とも言う)の活用も含めて事業の在り方を見たり、問いたりするツールです。

(3)「ビジネスモデル・キャンバス」などの分析ツールを使って、自社がキャッシュを生み出す仕組みを確認することで、これまでとは異なった事業スタイルに気付くことがあります。

今まで保有していたが、それ程注目されていなかった資産(ハードやソフトな資産)の再利用を、検討することにも繋がるかも知れません。


3.世の中の動きとビジネスの在り方の関係

(1)最後にこれは財務経理部門だけなく、全て部署のビジネスパーソンに向けての話になるかも知れませんが、「今後、世の中はどうなっていくのか?」という視点を常に持ちたいです。

(2)卑近な例で言えば、コロナ収束後のビジネス状況はどうなっていくのだろうか?

かなり普及した「ネット」取引はコロナ収束後、どれ程「対面・リアル」取引に戻るのだどろうか?

(3)もう少し緩やかではあるが避けて通れない課題である、我が国の少子高齢化。これが自社のビジネスの動向にどう影響するのか?

(4)世の中、顧客・市場が今後どのように変化・進化していくのか?それが自社・自分の仕事にどうインパクトを持つのか? 

これをざっくりとマクロで夢想する癖をつけたいです。

これらの課題は誰も「絶対解」を持ち合わせていません。答えの無い問いかけを自らにして、それを様々な角度で検討し続ける姿勢。これが今後は重要になってくると思われます。


ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお

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東京都で唯一の「村」、そして秋川渓谷へ行ってきました!

JR武蔵五日市線の終点「武蔵五... JR武蔵五日市線の終点「武蔵五日市駅」
日本の滝百選の一つ「払沢の滝」 日本の滝百選の一つ「払沢の滝」
秋川渓谷 秋川渓谷
東京都で唯一の「村」、そして秋...
東京都で唯一の「村」、そして秋...
石舟橋から臨む「秋川渓谷」 石舟橋から臨む「秋川渓谷」
こんにちは!「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしおです。

今日は「駅ウオーキング」の第二弾!

東京都で唯一の村、檜原村にある

「払沢の滝」

そして

「秋川渓谷」

に行って参りました。

「こんな素敵なところが東京都内にあったのか!」

これが偽らざる感想。

特に滝が良かったですね!

この「払沢の滝」は日本の滝百選の一つで、檜原村最大の名所。

JR武蔵五日市線の終点「武蔵五日市」駅からバスで20分。そして徒歩約15分で、こんな秘境?の滝へ。

紅葉にはまだ早かったですが、静寂と滝の落ちる音で、癒されました!


そして、その後はバスで駅へ戻る途中の

「秋川渓谷 瀬音の湯」

に立ち寄りました。


今日は何とも贅沢な「自然三昧」。

東京には捨てちゃもんじゃない!まだまだ知らない自然がたくさん!

これからも「駅ウオーキング」を続けて参ります。

ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお

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会社数字を活かす:経理部門から見える会社・社会とは?(Day9)「財務経理部門の提供価値」

会社数字を活かす:経理部門から...
こんにちは!「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしおです。

今日も昨日に引き続き、私の前職である「財務経理職」という仕事を振り返りながら、異なる視点や考え方をお伝えして行きます。

全体は、下記のような流れで書き綴っています。

全体の流れ・章立て
第一部:財務・経理部門の役割(完了)
第二部:財務経理パーソンの「ありたい姿」(本日)
第三部:経理財務部門をどう活用するか

そして今日も第二部、

第二部:財務経理パーソンの「ありたい姿」を、

私自身の反省も含めて綴って行きます。

章立て
1.財務経理部門の存在意義(完了)
2.財務経理パーソンが目指すもの(本日)
3.「ありたい姿」の具体的イメージ


「財務経理パーソンが目指すもの」


今日の章立て
1.ゼロベースで考える財務経理部門の「提供価値」
2.財務経理パーソンが目指すもの


今日の章立て
1.ゼロベースで考える財務経理部門の「提供価値」

(1)先日触れた「財務経理部門の存在意義」で、経理のある部分の「機能」は外注できそうだ、という話をしました。

それを踏まえた上で改めて、財務経理部門の「提供価値」は何でしょうか?

もう少し踏み込んで言うと、社内で財務経理部門を抱えることで得られる便益(ベネフィット)は何でしょうか?

(2)お金を扱う財務経理部門ですが、そもそも会社にとって「お金」とは何でしょうか?

会社にとって「お金」は、目的ではなく「手段」である、と私は考えています。人間の体に喩えると「血液」または「血流」のような気がします。

(3)体を動かすために必要な「血液」や、栄養を体内に行き渡らせるための「血流」があるように、会社・事業にはお金が必要です。

(4)そして、自社の事業展開という目的を達成するための「お金」というものを管理し、「血流」つまり、必要な事業に必要な栄養が届いているかをモニターする役割を財務経理部門が担っているように思います。

(5)そう捉えると財務経理部門の「提供価値」は、事業の目的を達成するための血液である「お金」が社内で適切に管理されていること。

そして、適切に活用されているかをモニターし、必要であればアラームを発する部門。

と言うことは、事業戦略をきちんと理解していて、そのためにはどういうリソースが、どういう事業分野で必要で、その充足具合が現時点でどういう状況なのか?

それらを常に監視している役割と言えるかと思います。


2.財務経理パーソンが目指すもの

(1)財務経理部門がその提供価値を生み出すためには、そこに属する経理パーソンはどうあるべき、何を目指す必要があるのでしょうか?

(2)まず思い当たるのな、自社の事業戦略や方向性を正確に理解していること。そしてその戦略・方向性として、事業の目標を「数字」という観点で把握していること。

(3)また、事業運営を行う上で、目標値に対してどこまで達成しているのか?などの判断が必要です。

つまり進捗判断のための数字的・金額的評価基準を持っていること。これはしばしばKPI(Key Performance Index/Indicator)と呼ばれるものでもあります。

(4)それから「財務経理部門」としての戦略、という発想も必要だと感じます。

事業の成長や発展、または不測のリスク、などにお金の備えを常に勘案しておくことも財務経理部門には必要です。

銀行借入がスムーズに出来るような準備や、M&Aなどの取引に備えて知識・経験やノウハウを蓄えておく、という備えも欲しいです。


ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお

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会社数字を活かす:経理部門から見える会社・社会とは?(Day8)「経理部門は必要か?」

会社数字を活かす:経理部門から...
こんにちは!「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしおです。

今日も昨日に引き続き、私の前職である「財務経理職」という仕事を振り返りながら、異なる視点や考え方をお伝えして行きます。

全体は、下記のような流れで書き綴っています。

(仮)全体の流れ・章立て
第一部:財務・経理部門の役割(完了)
第二部:財務経理パーソンの「ありたい姿」(本日から)
第三部:経理財務部門をどう活用するか

そして今日からは第二部、すなわち

第二部:財務経理パーソンの「ありたい姿」

私の考える「ありたい姿」を、自分の反省も含めて綴って行きます。

章立て
1.財務経理部門の存在意義
2.財務経理パーソンが目指すもの
3.「ありたい姿」の具体的イメージ


「財務経理部門の存在意義」


今日の章立て
1.財務経理部門が無かったら、会社はどうなるのか?(本日)
2.ゼロベースで考える財務経理部門の「提供価値」
3.財務経理部門が果たすべき役割


1.財務経理部門が無かったら、会社はどうなるのか?

(1)「え!、経理部門が無い会社ってあるの?」と言って頂けると、元財務経理パーソンとしては嬉しいです。

しかし、実際にそういう会社はあります。正確に言うと、経理の「機能」を外注しているので社内には経理部門が無い、というケースです。

(2)このようなケースは、財務経理部門にとって何を示唆しているのでしょうか?

「財務経理」は飽くまで、機能であって目的が果たせれば、社内だろうが外注でも良い。財務経理パーソンを社内に雇っておく必要はない!?

(3)このケースと対比させて、例えば「営業部門」「マーケティング部門」を同じように考えてみたらどうなるでしょうか?

営業活動を外注する、という発想はあります。実際に実行している企業もあると想像されます。

しかし、営業活動を100%、全て社外に任せるという方法が本当に効果が出るのか?少し疑問が残ります。

(4)一方「マーケティング部門」はいかがでしょうか?

これもマーケティング部門が担当しているある部分を社外に委託するというのはよくあることです。分かりやすい例は「広告宣伝」の部分です。

顧客の購買行動を引き出すための施策は、かなり高度の専門的、かつ、経験が必要。

従ってキャッチコピーやコピーライティングを外注するのはうなづけます。

しかし、自社の真の価値を理解し、それに基づいて情熱をもってマーケティング戦略を考えるという「コアの活動」は、さすがに社外に委託すべき部分ではない、と私は感じます。

(5)ここまで考えて、翻って「財務経理部門」について目を向けるとどうでしょうか?

伝票処理をして、それを会計帳簿に記帳して財務諸表を作成する、というオペレーション的な部分は社外でも、相当部分が対応できると思います。

一方、社内の人間でないと判断できない活動や事業の方向性や将来を決定するような意思決定に関する活動について、つまり

「根幹を成すコア業務・機能」は、社外に委託すべきではない、と言えるかと思います。


では「財務経理部門」における「根幹を成すコア業務・機能」とは何でしょうか?


この論点は明日以降、次章である

ゼロベースで考える財務経理部門の「提供価値」

で綴って行こうと思います。


ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお

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会社数字を活かす:経理部門から見える会社・社会とは?(Day7)「財務経理パーソンの落とし穴」

ブラックホール? ブラックホール?
わな? わな?
こんにちは!「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしおです。

今日も昨日に引き続き、私の前職である「財務経理職」という仕事を振り返りながら、異なる視点や考え方をお伝えして行きます。

全体は、下記のような流れで書き綴っています。

(仮)全体の流れ・章立て
第一部:財務・経理部門の役割
第二部:財務経理パーソンの「ありたい姿」
第三部:経理財務部門とどう付き合うか?(活用方法)

そして今日は昨日の続き、

第一部:財務・経理部門の役割

章立て
1.財務諸表:経理部門の成果物(完了)
2.財務・経理部門は何をしているのか?(完了)
3.財務経理パーソンの視点(本日)


「財務経理パーソンの視点」

今日の章立て
1.大切にしている価値観(完了)
2.仕事を通じて何が見えるか?(完了)
3.財務経理パーソンの落とし穴(本日)


「財務経理パーソンの落とし穴」

今日の章立て
1.数字への拘りが仇になる
2.理論だけでは人は動かない
3.経理部門の論理に閉じこもり、上の視座を失いがち


1.数字への拘りが仇になる

(1)数字で語る、数字を活用して事業活動を見ることができるのは、ある意味で経理パーソンの特権。

しかし、余りに数字に拘ることで「木を見て森を見ず」のような、狭い視点に陥ってしまうことがある。

(2)数字のつじつま合わせに多くの時間を使ったり、つじつまが合わない状況にやる気を失ってしまう部員もいる。

学生時代の算数・数学の試験で、割り切れない解答に出くわした際に「この答えは間違っているに違いない」と思ってしまうことがある。しかし日常扱う数字、特に生き物である会社の数字は、全て「割り切れない」数字ばかりである。


2.理論だけでは人は動かない

(1)理路整然として、数字で説明が効く、ということはビジネス上では利点ではある。しかし、数字の収まりが良いことと、それで人が動くかどうかは別である。

(2)「理論的に正しい」=「人が納得して動く」と勘違いしてしまうことがある。

これは私自身の苦い経験でもある。人は論理ではむしろ動かないことの方が多い、というのが私の実感値。

(3)数字を使うのは飽くまで、一つの「手段」と捉えた方が健全。数字が先行しすぎると事業展開にブレーキとなってしまうことがある。

米国企業で昔一時期、「MBA社員が会社をダメにする」と批判された時期があった。大げさな表現ではあるものの、一部真実を語っているようにも感じる。


3.経理部門の論理に閉じこもり、上の視座を失いがち

(1)経理部門内では使う言語も発想も似たり寄ったりなので、部員間のコミュニケーションは比較的楽である。

しかし、経理部門から外へ一歩出れば、専門用語や概念が通じない、感覚が異なる人がいるのが当たり前。経理部門は、実は一種独特な人間の集まり、と捉える方が正しいと感じる。

(2)従って会社数字や利益の源泉を理解しているからと言って、傲慢になってはいけない。会社を運営するための一つの「機能」であるくらいに考えておく方が健全だ。

(3)経理という世界に余りにどっぷり浸ってしまうと、外の世界が見えなくなってしまう。そして、より上位の視座を持つ機会を失ってしまうリスクもある。


ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしおです。

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会社数字を活かす:経理部門から見える会社・社会とは?(Day6)「仕事を通じて見えるもの」

たかがお金、されどお金! たかがお金、されどお金!
お金はヒトの本性をあぶりだす? お金はヒトの本性をあぶりだす?
こんにちは!「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしおです。

今日も昨日に引き続き、私の前職である「財務経理職」という仕事を振り返りながら、異なる視点や考え方をお伝えして行きます。

全体は、下記のような流れで書き綴っています。

(仮)全体の流れ・章立て
第一部:財務・経理部門の役割
第二部:財務経理パーソンの「ありたい姿」
第三部:経理財務部門とどう付き合うか?(活用方法)

そして今日は昨日の続き、

第一部:財務・経理部門の役割

章立て
1.財務諸表:経理部門の成果物(完了)
2.財務・経理部門は何をしているのか?(完了)
3.財務経理パーソンの視点(本日)


「財務経理パーソンの視点」

今日の章立て
1.大切にしている価値観(完了)
2.仕事を通じて何が見えるか?(本日)
3.財務経理パーソンの落とし穴


「仕事を通じて何が見えるか?」

今日の章立て
1.社内のヒト・モノ・カネなどの「リソースの流れ」が見える
2.会社利益の源泉が見える
3.お金の扱い方で「人となり」が見える


1.社内のヒト・モノ・カネなどの「リソースの流れ」が見える

(1)企業や組織が有する資源(リソース)の切り口として、しばしば「ヒト・モノ・カネ」が挙げれらる。最近はこれらに加えて「情報」もあるかも知れない。

(2)経理取引を帳簿に記帳する過程や、その成果物である財務諸表(貸借対照表や損益計算書など)を作る・見ることで、これらの流れや活用され方が見える。

(3)分かりやすい例を挙げるとすれば、工場部門でのモノとお金の流れ。

①工場では資材を調達してきて、②工場で製品を作り、③お客様へ出荷して、④その代金を回収する、という一連のプロセス(Value Chainと表現される)がある。

それぞれの工程において、何に、どれくらいの「資金」と「人員」を投じているのか?これを一覧することが出来る。そしてその全体像から様々なことが見えてくる。


2.会社利益の源泉が見える

(1)会社・企業の目的・存在理由の一つは「利益」を上げること。正確に表現すると、お客様に価値を提供することで、その対価を得ることが出来て、それが利益の源泉になっている。

(2)上記、工場部門の実例を使って、利益というものを捉えてみると分かりやすい。

製品を生産するValue Chainを簡略化して、①工場では資材を調達してきて、②工場で製品を作り、③お客様へ出荷して、④その代金を回収する」とした。

このプロセスには様々なコストがかかっている。

①調達した材料自体の購入代金はもちろん、調達部の人件費もかかっている。

そして②実際、製品を製造する工場内では、本当に様々なコストが発生している。機械設備のコスト(減価償却費という形で計上)、機械を動かす人件費、電気代・水道代なので光熱費は分かりやすい例だろう。

③完成した製品をお客様へ出荷・届ける作業にも色々なプロセス・人手が介在していて、それらはもちろんコストである。

④そして最後に届けられた製品が正常に稼働・機能すればお客様は喜んで代金を払ってくれる。しかし、製品の不備があれば、代金の回収に時間を要したり、時と場合によっては返品されて、不良製品を改修しなければならなくなってしまうかも知れない。ここにも多くのコストがかかる。

(3)このように様々に要したコストを「金額」という切り口で合計し、売値との差額が利益となる。さて、この時もし利益がマイナスだったら、つまり赤字だったら、皆さんはどう考えるか? 何をどうしたら良いのか?、と想いを巡らすだろうか。

(4)この疑問に答える情報・データを経理パーソンは握っている。どんなプロセスにどれほどのお金と人が関係しているのか?これが一目瞭然。従って、何をどうすれば赤字から黒字へ転ずることが出来るか、が手に取るようにわかる部署と言える。


3.お金の扱い方で「人となり」が見える

(1)もう一点、30年以上に渡り経理部門で仕事をしていて感じた興味深いことがある。それは「お金を扱う人々の所業」である。分かりやすく表現すると、お金を扱うとその人の別の一面や本性が見えたりする。

(2)会社では「予算制度」が導入されていることが多く、部や課レベルで自分たちである程度使途を自由に設定できる「予算」というものが設定されている。

もちろん、会社がその部課に当てがったお金ではあるが、その部署の役割を果たすために目的を自分たちで決めて良いお金である。

(3)そういうお金に対する態度に「人となり」が表れるのだ。部下と食事や飲み会に出かけた際には割り勘にするにも拘らず、会社の接待費は一桁違っても予算満額を使おうとする部長さん。

(4)一方、会社のお金は神聖化して、必要経費にも拘わらず一銭も手を付けず、やるべき役割を果たすことに消極的な課長さん。

(5)これらは極端な例ではあるが、お金という「魔物」を前にするとヒトは、元々持っている性格をあからさまにさせる力があるのだろうか?経理パーソンは、このような人間臭い場面にも多く遭遇する仕事なのである。


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会社数字を活かす:経理部門から見える会社・社会とは?(Day5)「経理パーソンとして大切にしている価値観」

経理パーソンが大切にしている「... 経理パーソンが大切にしている「価値観」
こんにちは!「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしおです。

今日も昨日に引き続き、私の前職である「財務経理職」という仕事を振り返りながら、異なる視点や考え方をお伝えして行きます。

全体は、下記のような流れで書き綴っています。

(仮)全体の流れ・章立て
第一部:財務・経理部門の役割
第二部:財務経理パーソンの「ありたい姿」
第三部:経理財務部門とどう付き合うか?(活用方法)

そして今日は昨日の続き、

第一部:財務・経理部門の役割

章立て
1.財務諸表:経理部門の成果物(完了)
2.財務・経理部門は何をしているのか?(完了)
3.財務経理パーソンの視点(本日)


「財務経理パーソンの視点」

今日の章立て
1.大切にしている価値観(本日)
2.仕事を通じて何が見えるか?
3.財務経理パーソンの落とし穴


1.大切にしている価値観

(1)精度

①経理パーソンとして重要な素養は「精度」や「正しさ」への拘り。「何となく、この数字が変に違和感を感じる」「何か収まりが悪い」という直感が実は重要。

②「精度」「正しさ」というのは、何を以ってそれらが保たれているのか? 実はそれを担保するのは、実務的には簡単なことでない。

そこで経理パーソンは様々な方法で「数字の検証」をする手立てを見つけようと努力している。


(2)論理性

①精度をどう担保・保証するのか?という点においても、数字が導かれた論理性やストーリーは非常に重要。

なぜなら、そのストーリーの質や中身によって「論理性」を支えることが可能になるからである。

②外資系企業の経理の世界では頻繁に「story behind the numbers」と表現される考え方がある。

これは数字の向こう側、隠された事実や背景をきちんと理解して初めて、数字の「意味」が理解できる、ということ。


(3)数字で語る

①数字というものは一種「冷徹」なもの、感情・表情が感じられないような気がする。

なぜなら、当たり前だがその数字自体はそれ以上でもそれ以外でもない。「10」は地球上のどの場所でも「10」であり、絶対的なもののように感じる。

②しかしその数字には、その数字が組み上げられるまで「何か」があり、その物語を語り、相手に伝えるために数字がある。つまり数字は何かを伝えるための「道具」と私は捉えている。

③そう考えると「10」という数字が大きいのか、小さいのか?増えたのか、減ったのか?

他の数字と比較したりすることにより、その数字の「評価」が分かれたり、「解釈」が異なってくる。ここが数字を扱う仕事の面白さ、醍醐味である。


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会社数字を活かす:経理部門から見える会社・社会とは?(Day4)「国内企業 vs. 外資系企業」

会社数字を活かす:経理部門から...
こんにちは!「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしおです。

昨日に引き続き今日も、私の前職である「財務経理職」という仕事を振り返りながら、異なる視点や考え方をお伝えして行きます。

全体は、下記のような流れで書き綴っています。

(仮)全体の流れ・章立て
第一部:財務・経理部門の役割
第二部:財務経理パーソンの「ありたい姿」
第三部:経理財務部門とどう付き合うか?(活用方法)

そして今日は昨日の続き、

第一部:財務・経理部門の役割

章立て
1.財務諸表:経理部門の成果物(完了)
2.財務・経理部門は何をしているのか?(本日)
3.財務経理パーソンの視点


「財務・経理部門は何をしているのか?」

今日の章立て
1.財務・経理の仕事・守備範囲(完了)
2.国内企業と外資系企業の違い(本日)


「国内企業と外資系企業の違い」

今日の章立て
(1)財務(資金調達)機能の位置づけ
(2)経理部門の守備範囲の違い
(3)外資系企業ならではキャリア機会


(1)財務(資金調達)機能の位置づけ

①前々回「財務」とは、資金調達を行う部署とお伝えしました。国内企業は、通常は日本に本社があります。(最近は東証上場企業であっても、海外に本社機能を持つ会社も出てきていますが。)

そして、資金調達の基本機能は本社が所有することが多く、効率的なことから、財務機能は本社である日本本社にあることが多いです。

②一方、外資系企業の場合、本社機能は日本以外の海外にあります。国内企業と同様の理由で、外資系企業の日本法人に財務機能を持たせている会社は多くはないと考えられます。

実際、私の勤務経験のある米国系企業の数社でも、米国本社がグローバルな観点で財務を統括していました。実際の財務オペレーション(約定や借入手続きなど)は日本で実行するものの、総量管理やリスク管理などはあくまで米国本社です。


(2)経理部門の守備範囲の違い

①残念ながら私は、国内企業での勤務経験が無いので正確には分からないですが、友人・知人の経理パーソンによる情報では、国内企業と外資系企業とでは、経理部門の守備範囲は異なるようです。

②国内企業の経理部門は純粋な経理機能、つまり会計報告のための業務を担う。一方、外資系企業は報告のための「財務会計」に加えて「管理会計」も守備範囲であることが多いです。

③管理会計の業務とは、例えば予算編成、予実管理、中期経営計画の策定などに代表される「プランニング系」の業務です。これらの役割について国内企業では「経営企画部」などが所管することが多いようです。


(3)外資系企業ならではキャリア機会

①グローバルな観点に立って、本社で対応すべき機能を本社へ集約するという発想は外資系では普通です。(恐らく国内企業の立場に立てば、日本に本社機能を集約するということ。)

そして、其々の国に特化した業務は分散するのは理にかなっています。従って、会計報告の業務は、一定の会計ルールに従って記帳すれば良いので、実は本社で集約できる可能性が高い機能です。

この発想がERP(Enterprise Resources Planning)という基幹系統合情報システムを、外資系企業がこぞって導入した理由の一つです。

そして一方、其々の国や拠点ごとに特化すべきなのは「収益管理」なので、管理会計の機能により注力した組織戦略が外資系企業では展開されているのです。

②この背景からすると、経理パーソンの「キャリア構築」の観点では、国内企業と外資系企業とでは自ずと違いが生じるということになります。

③外資系企業の経理パーソンは、報告目的の財務会計に加えて、管理会計のスキルや経験が培う機会が与えられます。

様々な業務を扱うことで、多忙を極める可能性は高いですが、一方、長い目で見ると経理担当役員やCFO(Chief Financial Officer、最高財務責任者)への道にも繋がっているとポジティブに捉えることも可能です。


ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお

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会社数字を活かす:経理部門から見える会社・社会とは?(Day3)「財務・経理の仕事・守備範囲」

資金調達? 資金調達?
こんにちは!「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしおです。

昨日に引き続き、私の前職である「財務経理職」という仕事を振り返りながら、これまで余り馴染みの無かった皆さんに、異なる視点や考え方をお伝えして行こうと思います。

全体を下記のような流れで書き綴っています。

(仮)全体の流れ・章立て
第一部:財務・経理部門の役割
第二部:財務経理パーソンの「ありたい姿」
第三部:経理財務部門とどう付き合うか?(活用方法)

そして今日は昨日の続き、

第一部:財務・経理部門の役割

章立て
1.財務諸表:経理部門の成果物(完了)
2.財務・経理部門は何をしているのか?(本日)
3.財務経理パーソンの視点


「財務・経理部門は何をしているのか?」

今日の章立て
1.財務・経理の仕事・守備範囲(本日)
2.国内企業と外資系企業の違い
3.財務経理パーソンが大切にしていること


1.財務・経理の仕事・守備範囲

(1)財務 vs. 経理

「財務」という言葉と「経理」という言葉を、何となく同じような意味・範疇で使ってしまうことがあるが、正確に言うとかなり異なる。

業務範囲という観点でざっくり言うと通常、財務は「資金調達」に関する業務、経理は会社の経理取引を会計帳簿に記帳することに纏わる業務、である。


(2)お金や数字を扱う業務とは?

双方ともお金にまつわる業務、つまり数字を扱う仕事なので、正確に数字を扱うことが求められる。従って経理パーソンは、金額が「正しい」とか「差異の有る・無い」ということに関心が高い。

それだけに神経を使う業務ではあるが、経理パーソンは「数字が正しい」「整合が取れている」と言う状態に一種の快感・心地よさを感じる人たちである。

従って「細かい性格」な人、と思われていることが多いが、逆にそうでないと業務に支障をきたすこともあるので、一理も二理もあると言える。


(3)財務、及び、経理関連の業務

①財務業務は一言で言うと「資金調達」、つまり新株発行や社債発行などによって市場からお金を調達する、又は、金融機関からの借り入れなどが基本業務。

なお、ピンと来ないかもしれないが、お金を調達するためには材料や商品を調達する時と同様に「調達コスト」が掛かる。それは金利だったり、市場からの期待コストだったりする。

②経理業務は、会社で発生した事柄を、経理取引として認定し、金額を算定し、それを帳簿に記帳する。記帳は通常は「複式簿記」という手法で書き込んでいく。

昔は本当に手で帳簿に書き込むという作業をしていたが、現代では当然ITシステムを使っているので「電子的」に書き込んでいく。その時を経理パーソンなら誰でも知っている「仕訳」というフォームに表現して、記帳していくのが一般的。


(4)経理取引とは?

①ここで「経理取引」と表現したのは、会社で起きている事象の全てを帳簿に記帳しているわけでは無い、と言う点。

経理取引とは簡単に言ってしまうと「会社の財産の増減に関わる行為」のこと。機械設備を購入したり、従業員に給与を払ったり、お客様から売上代金を回収したり、などはもちろん立派な経理取引。

②しかし、例えば「新入社員が4月1日で入社した」事象は会社にとってはビッグ・イベントではあるが、経理取引には該当しない。

なぜなら社員が増えただけでは会社の資産・財産が増えていないからである。

この点は、会計の世界で実は大きな話題になっているトピックと大きく関係している。なぜなら企業・組織にとって非常に「ヒト」という重要な財産を、会社の評価に反映できていないことの課題である。この点は後日、詳述したいと考えている。

続きはまた後日に。


ではまた明日!
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