1994年3月に発売された『警視の休暇』から数えて、第11作目がこの『警視の覚悟』です。
ロンドン警視庁のダンカン・キンケイド警視を主人公にしたクライムノベルですが、私生活では元部下で今は一緒に生活しているジェマ・ジェイムズ警部補との関係も、シリーズと共に変化してゆきますので小説のもう一つの伏線として楽しめます。
著者のD・クロンビーは、アメリカテキサス州ダラス近郊に住んでいますが、イギリス生活の経験があるとはいえ、こまかい風景描写は「イギリス」そのものの風土性を感じさせてくれます。
今回初めて、キンケイドはジェマとそれぞれの連れ子である男の子二人と、キンケイドの実家でクリスマスを過ごすべき出向いたのですが、乳幼児の遺体をキンケイドの妹が発見するところから、物語は始まります。
表紙にもナロウボートのイラストが描かれていますが、今回の舞台は運河で生活する船上生活者の現状が重要な要素を占めていますが、ティーンエイジャーの性と恋を絡み合わせて重厚な世界を作り出しています。
文庫本で700ページ弱、キンケイドファンにはたまらないシリーズです。
どの作品からも楽しめますが、やはり第1作目からお付き合いされるのが、お勧めです。
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Posted at 2012-01-15 12:51
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Posted at 2012-01-15 23:35
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Posted at 2012-01-16 13:36
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Posted at 2012-01-17 00:04
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