読む本を選ぶ基準は、好きな作家だというのが大きな要素だと思いますが、<本>自体の装丁などに引かれる場合が多々あります。
この『雪のひとひら』も、きれいな青い表紙が目にとまり手にしてみました。
著者の名は、1972(昭和45)年に封切られた映画『ポセイドンアドベンチャー』の原作者として印象が強く残っていましたので、読んでみることにしました。
ある寒い朝、空から<雪のひとひら>は生まれ、地上に舞い降ります。
地面に落ち、小川に流され、大きな川を下る長い旅が始まります。
旅の途中で人生の伴侶となる<雨のしずく>と出会い、4人の子供を授かります。
火事場の消化水として働き、苦難を超え大海に流れて行きますが、旅の途中で伴侶である<雨のしずく>を亡くし、子供たちもそれぞれの水の分岐に沿って旅だって行きます。
雪の発生から、太陽の熱で気化消滅するまでの過程を、女性の一生に擬人化し比ゆ的に表した、大人の童話でした。
水の属性になぞらえ、人生の流転を流れるままに受け止める<雪のひとひら>の姿勢は、生きてゆく限りとどまることなく活動を続けることが大切であり、人間として自然な姿なのだと感じさせてくれた一冊でした。
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Posted at 2012-03-18 18:53
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Posted at 2012-03-19 03:57
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Posted at 2012-03-19 06:57
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Posted at 2012-03-20 02:25
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