非常に淡々と描かれた文章に少し戸惑いながらも、最後まで読ませる力量は、著者ならではでしょう。
東京近郊の地方都市「汐灘」という架空の街を舞台に、人間ドラマが厚く展開してゆきます。
汐灘の海岸で、幼女殺害未遂事件が発生、事件直後に20年前に同様の犯行で逮捕され自供し、12年の刑を勤め出所していた<庄司>が逮捕されますが、確定した証拠がないままに保釈されます。
その<庄司>は、再審請求に向けて弁護士の<有田>と共に活動を始めますが、最初の事件を担当した<脇坂>刑事、殺された少女の父親の<桑原>、そして<庄司>と同級生であり、目の前で逮捕された経験を持ち、かっての親友であり今は刑事になっている<伊達>がからみ合い、重奏な人間ドラマが展開されていきます。
犯人逮捕を目的とした「刑事物」ではなく、本当に<庄司>は無実なのかという主題に沿いながら、刑事の職業とはなにかという伏線を絡ませた作品、面白く読み終えました。
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Posted at 2012-04-06 06:55
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Posted at 2012-04-07 00:50
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Posted at 2012-04-07 00:03
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Posted at 2012-04-07 09:13
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