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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(65)『グラデーション』永井するみ(光文社文庫)

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今年の読書(65)『グラデーシ...
14歳の少女<桂真紀>を主人公に、23歳になるまでの10年間を、丁寧に描いた8章からなる小説です。

少女から大人の入り口に差しかかるまでの出来事が、友達関係、親子関係、思いを寄せる男性関係の中で、これといった結末もなくなだらかに語られてゆきます。

「グラデーション」は、色彩の濃淡の変化、物事の段階的な変化に対応した言葉ですが、女の子としてどこにでもありそうな出来事の積み重ねを、心の成長とともに書き込まれています。

主人公の<真紀>は、美術大学に進み、美術の教職を目指しますが、残念ながら教師の道は狭き門で浪人となり、友人の絵画教室の手伝いをする現状で終わりますが、この先どのような人生の「グラデーション」を積み重ねて着くのかは、読書の想像の世界です。

多感な少女の心の動きを、それとなく感じさせてくれた一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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エメラルド
Commented by エメラルド
Posted at 2012-05-22 21:48

この10年は、少年も少女も大きく成長する時期ですね。心の変化を色の変化に擬える所はビジュアル世代を感じますね。

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ファルコン
Commented by ファルコン
Posted at 2012-05-23 06:51

色とりどりの経験を踏まえて、自分の個性の色を生み出してゆくたとえ、よくできている構成だと感じました。
主人公の<真紀>は、高校は美術部、大学は美大にしんがくするという伏線もありました。

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